第21話 E級ダンジョン
昨日、黒部さんから信用できるクランと連絡とって予定を合わせるから紹介は五日後ぐらいになりそうと言われ、その間が暇になった僕は今日、E級ダンジョンに来ていた。
「ここがE級ダンジョンの長島ダンジョンかぁー」
僕が今日から挑もうとするのは長島ダンジョン。このダンジョンは自分の家から数多くあるE級ダンジョンの中で最も自分の家から近く、徒歩15分程度でつける。
このダンジョンは、
「ひとがいっぱいいる…」
僕がダンジョンに入るために手続きをしようと、ダンジョンの事務所の受付に行こうとするとそこにはそこそこの列ができている。
どうやら僕が入院している間に、他のハンター見習いの人達も続々と練習用ダンジョンをクリアしたらしく、練習用ダンジョンの次であるE級ダンジョンが混んでいるそうである。っていうのを、列に並んでいる時に僕の前の人が話しているのをコッソリ聞かせてもらった。
「できれば人込みは避けたいからなぁ~」
さっきの人は、ハンター見習いからE級に昇格した人たちは最初は上層に留まるとも言っていたので、僕は上層の1~5階層をすっ飛ばして下層から探索することにした。
「ふぅ着いたぁ」
ダンジョンに入ってから、感知系のスキルをフル活用して人やモンスターを避けて進んで来た為、かなり早く人が少なそうな階層まで着くことができた。
現在の階層は6階。丁度、このダンジョンにおける下層の範囲に入るところである。
この階層には、モンスターとして巨大な毒蜘蛛のポイズンスパイダー、武器、防具を溶かす体液を吐き出してくるムカデのフューズセンチピード、超音波で攪乱してくる蝙蝠のバットが出て来る。
今までの敵とは違い、搦め手たっぷりの、というよりも搦め手が主体、搦め手が全てのモンスターが出て来るため舐めてかかると痛い目に合うことになる。
「どいてくれっ!!!」
僕がモンスターを探しに行こうと歩きだそうとすると奥の方から、男子二人組が焦った様子で僕を押しのけ階段を駆け上がっていった。
装備のあちこちが破損していたため、恐らく何の対策もなくこの階層に踏み込み、フューズセンチピードに手痛くやられたのだろう。
「僕も油断してああならないように気を付けないと」
一応、この階層のモンスターの対策は考えてきているから大丈夫だとは思うけど……
っと。早速、敵が近づいてきたか。
目を凝らしてみると、節が連なった体に遂になってついている足を一本ずつワシャワシャと動かしながら、こちらにかなりの速度で迫ってくる。
姿が露わになったフューズセンチピードがこちらに向かって出会いがしらの一撃に口から溶解液を吐いていくる。
「早速試してみるか」
蛇穴ダンジョンの激闘の末、手に入れた「黒騎士の剣術」。このスキルが僕のフューズセンチピード対策の根幹である。
このスキルは、基礎スキル、才能スキルとはまた違った「伝承スキル」という分類に入るようで「黒騎士の剣術」を入手した事で、新たに僕のステータスに表記されるようになった。しかし、黒部さんもこんなスキルは知らないと言っており、今はまだ世間には公表していない。だから今回のダンジョン探索は、このスキルを試すためにも人が居ない方が好ましいのだ。
肝心のスキルの効果は、魔力を使った剣技の使用が可能になるというものである。
今はまだスキルレベルが低く、使える剣技は「
この「空斬」、見えない斬撃という地味な技である。ではあるが地味ということは気づかれにくい、それに斬撃が飛んでいくため僕に欠けていた遠距離攻撃も出来るようになった。
僕は、「空斬」の触れることなく斬れるという事に今回注目した。
「《空斬》」
僕に覆いかぶさろうとしていた溶解液が剣に触れることなく、切り裂かれる。
その見えない斬撃は溶解液を切り裂く程度では止まらず(そもそも溶解液に抵抗なんて在って無いようなものだけれど)、その後ろの百足の首を跳ね飛ばした。
(液体も問題なく斬り散らすことができたか)
「よしっ!問題なく対処できるな」
そう、溶解液は付着した物を溶かす液である。ならば、触れなければ良いという話である。
さらに、「空斬」は液体を斬れるという事はフューズセンチピード同様にポイズンスパイダーの毒液も斬れるという事である。
こうなったら、あと脅威に成り得るものはバットだけって事になる。
(けれど、そのバットも超音波の射線に入らないようにして「空斬」で攻撃すれば済む話だしな)
こうして僕は、この階層のモンスターの特徴である搦め手をすべて封じ込めて、さらに深くへ足を進める。
――――――――――
後書き
重要な質問が来たのでちょこっと紹介。
Q 「ユニークスキルは「レスキュー」なのに「ダンジョンボスを倒せ」というクエストはおかしくないか?」
A 「しっかりおかしいです。けれど、おかしいのにこのクエストを書いたのには理由があります。ネタバレになるのでこれ以上は言えませんがかなり後半で理由が分かります。
前に書いた通りにこの物語はかなりスロースターターですのでゆっくりお待ちしてください」
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