第20話 ハンター入門

 退院から四日目。二日目から練習場で徐々に体を動かす練習を増やしていき、強化された肉体の効果なのかは分からないけれど異常なスピードで入院する前の動きを取り戻せた。

 今はもう怪我する以前のものと同じ練習をこなし、休憩していると黒部さんから重要な連絡があると言われ、部屋の中できちんと話そうという事で僕が武器を選んだ部屋に通される。

 以前入ったときとは違い、武器は片付けられておりその代わりに向かい合うように設置された机と椅子が一組ずつある。


(武器がないのは当たり前か)


 部屋に入ると、手前側、入り口に近い方の椅子に座るよう勧められる。その後、黒部さんが反対側の席に座る。


「それでだ、重要な話しというのはだな…」


 黒部さんは言葉を切って勿体ぶってくる。重大な話と言われても、僕自身には身に覚えが無いので悪いニュースの可能性もあると体を強張らせる。


「明君、君がハンター見習いを卒業するという話だ」


「ええっ!そんなっ、僕がハンターに向いてないからこれ以上何やっても無駄だからもうここに来なくていいってですか!?」


 僕が勢い余って叫び、机の上に身を乗り出すと黒部さんはポカンとし、まさかそんな反応をされるとは思っていなかった様子だ。その様子を見て僕もポカンとし、部屋の中は数舜前と打って変わって静寂になる。

 やがて、黒部さんの理解が追いついたようで慌てて僕の考えを否定し始める。


「違う違うよ。ハンター見習いからD級ハンターに昇格するっていう話だよ。そんな、もう来るななんて言ってたら俺が社会的に干されるよ。ハンター見習いを卒業して、正式にハンターとして活動できるようになるって言うだけだから」


「僕の勘違いでしたか」


 僕がそう言うと、黒部さんが呆れたようにで僕を見てくる。


「そもそもとして何であの言い方でそんな勘違いするのか」


「あはは。それより、D級ハンターですか?E級ハンターではなくて?」


「そこなんだよ。本当は、練習用ダンジョンのボスモンスターを倒すとE級に昇格するんだ。けれど、ほらボスがアレだっただろ?」


 …成程。


「確かにアレでしたね」


 黒部さんが僕の言葉に頷く。


「アレは、俺が一度剣を合わせたときの感覚は少なくともC級のダンジョンのボスより強かったからな。そういうイレギュラーがあって実力が認められたからD級からのスタートになったんだ」


 う~ん、最初からD級は少し不安だなぁ~。


「あぁ別にD級だからと言ってD級ダンジョンに最初から挑む必要はないからな。E級から順に挑んでいけばいい」


 そして黒部さんは、これで俺の講義はお終いだと言う。


「えっ?黒部さんの講義って練習用ダンジョンをクリアするまで何ですか?」


 黒部さんの講義が無いとなると僕は今後にダンジョンや戦闘について教わる人がいないため驚きの声を上げる。


「あぁ。だけど君の専属職員っていう特定のハンターに専属になる職員になってサポートをするから大丈夫さ。それに、君もクランっていうハンター同士で作られる組織の仲間になればそのクランの先輩がノウハウを教えてくれるさ」


 ん?これってもしかして?


「クランって自分で入るとこ探さないとダメですか?」


 僕がそう言うと、黒部さんは少し黙って考え込んでから、


「ホントは自分で探すのが一番なんだが…君が良ければ、俺が信用できるクランを紹介するが?」


と提案してくる。

 それに対し僕は勿論、


「それでお願いします!!!」


と返事するのであった。

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