すべてのものが
すべてのものが
すべてのものが語り
すべての優しさの内部に
溶けこむと
ⅰ
腹を立ててしまった
ほんのつまらない
おしゃべりが原因だ
繰り返してきた
この種類の腹立ちは
いつも決まって
同情や憐れみのあとに
やってくる
自分だけを生きていくしかない
卑屈さが
本当は腹立たしいに違いない
腹を立てた回数と同じだけ
心臓を掻き回して
あの人は 頼りなげ
歩いていくのだろう
ⅱ
どれだけの朝を
こうやって横になって数えたろう
一米四方の
少しは安心出来る空気の中から
生きて来たと同じくらいの数の
苦い言葉 に 驟雨は
まるで
薄汚れた言葉を
掠め取っちまうのだと言い聞かせてきた
そして
すべて
決して背中を見せない
優しさのすべてに
溶け込んでいく
私の周りで吹き始めた
優しい風のように
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