第41話
教室へ入ると、真っ先に彼の姿を探した。
今までなら、彼の存在すらあやふやで、彼を目で追いかけた事なんてなかったのに、初めて教室中を見渡した。
いた…
ちょうどいいタイミングで、セイカくんはひとりで席に着いている。
しかし…なんだろう、この雰囲気…
「ちび?」
さよは、私の机の横に来て、小さな声で私に囁きかける。
( わかる?この威圧感…女子のほとんどが高吉くんのことを気にしてるの、だから、高吉くんの周辺で何かあれば、注目の的になるわけよ… )
( 注目の…まと?… )
( そう、速攻、マークされちゃうの )
( そ、そしたらさ、さっきの手紙なんて渡したら、どうなっちゃうわけ? )
一瞬黙ってしまった紗世は、私の目を見つめながら、小さく頷いた。
( 鈍感なちびでもわかるよね…そうなっちゃうわけよ )
( …よくわかんないけど…とにかく大騒ぎになっちゃう? )
( うん…でも、その前に高吉くん、100パーセント拒否ると思うけどね )
「うん…私も、そう思う…」
もし、誰かに見られでもしたら、マークされてしまう…
目立つのは嫌だけれど、約束はちゃんと守らないと…
「 ねえさよ?これ、いつ渡そうか? 」
「 高吉くんがひとりになった時か…最低でも、女子がいない時だね 」
「 りょうかい! 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます