第41話



教室へ入ると、真っ先に彼の姿を探した。



今までなら、彼の存在すらあやふやで、彼を目で追いかけた事なんてなかったのに、初めて教室中を見渡した。


いた…


ちょうどいいタイミングで、セイカくんはひとりで席に着いている。


しかし…なんだろう、この雰囲気…


「ちび?」


さよは、私の机の横に来て、小さな声で私に囁きかける。


( わかる?この威圧感…女子のほとんどが高吉くんのことを気にしてるの、だから、高吉くんの周辺で何かあれば、注目の的になるわけよ… )


( 注目の…まと?… )


( そう、速攻、マークされちゃうの )


( そ、そしたらさ、さっきの手紙なんて渡したら、どうなっちゃうわけ? )


一瞬黙ってしまった紗世は、私の目を見つめながら、小さく頷いた。


( 鈍感なちびでもわかるよね…そうなっちゃうわけよ )


( …よくわかんないけど…とにかく大騒ぎになっちゃう? )


( うん…でも、その前に高吉くん、100パーセント拒否ると思うけどね )


「うん…私も、そう思う…」


もし、誰かに見られでもしたら、マークされてしまう…


目立つのは嫌だけれど、約束はちゃんと守らないと…


「 ねえさよ?これ、いつ渡そうか? 」


「 高吉くんがひとりになった時か…最低でも、女子がいない時だね 」


「 りょうかい! 」

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