第40話


「 簡単に渡せたら、あたしだって渡してるよ…けど、無理… 」


「 さよも?」


「 ま、まぁね…まじめに彼のこといいなあって思うし憧れるよ、カッコいいもん…彼…」


「 いいよね…」


「ちびも?…男子が苦手だったのに…あれだけカッコよかったら無理もないか」


「 私はそーゆーのじゃなくて、セイカくんて、ちょっと怖そうだけれど、ほんとはすごく優しい人なんじゃないかなって、そう思って… 」


「 優しい?…あたしにはわからないけれど、ちびはやっぱり人とは違うね、でもあたしはちびのそうゆうところが、好き! 」



「さよ?…」



「だからお願い!」



ん?



「これを…高吉くんに…」


「 わたしが!?」


「 お話したんでしょ…普通、できないんだから…お願いッ 」


「…でも…」


「うまくいったらさあ、ココナッツのデラックスパフェ、おごっちゃうから 」


「デラックス!?…う、うん…それじゃあ…」


というわけで、私が渡すことになってしまったのです。


すでに、もう緊張して来たみたい。


「 ひとつ、言っておくけれど、高吉くん、告られすぎて女嫌いになったらしいよ…」



(あいつさ…女嫌いで、あまり女子とはしゃべったりしないんだ…)



山代くんもたしかそう言ってた…


そんな人に渡すなんて


無理じゃない?

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