第35話
駅に到着した。
私が真ん中で、左右に男子と並んで歩いている。
こんなこと二度とないでしょうね
最初は、苦手な男の子とふたりの近くで、ドキドキが止まらなかった。
けれど、今は側にいてもあんまり緊張したりしなくなったような気がする。
それに…
逃げたいという気持ちが薄れて、逆にちょっとだけ、横にいる人をチラ見しようとしている。
彼の視界からは完全に外れているけれど。
「 ちびちゃん? 何ボケっとしてんの、早くいこうぜ 」
え?…
あ…う、うん…
と、心で思い静かに頷く
少し歩くと、駅ビルの待ち合わせ広場に、紗世が見えてきた。
もともと内気な性格だから、お友達もなかなかできなくて…でも、紗世がいるだけで楽しいから、それだけで満足なのです。
その、スマホに夢中になっている紗世を呼んだ。
「さ~よ~!」
「ち~び!」
私の声を聞いて、走りよってきた紗世と手を握りしめあった。
「よかった~、心配してたんだよ!」
「うん、ごめん、いろいろあってね 」
「 何があったの?昨日もぜんぜん返信来なかったから………あ… 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます