第31話
セイカくんの微笑みを見ていたら、私の唇も自然に微笑みの形に変わって…
そして、セイカくんのスーッとしたお鼻から更に…
勢いあまって目もとまで見ようとしたけど…!!
キラキラと輝く瞳は眩し過ぎて見る事ができなくて…
慌てて目を逸らしてしまった。
電車が入ってきた。
今日はまた特別混んでいる、昨日とは大違いだ。
ラッシュには慣れていた、けれど、あと2人、いや3人、乗れるか乗れないかあきらめようかと迷っていたときだった。
「 ちびちゃん、ここ! 」
山代くんが私に順番を譲ってくれた。
ありがとう…
でも、ドアからはみ出してるし、男性ばかりで行きずらいから
…次ので……
そう言いながら、手をフリフリして断った。
え!
いきなり私の手首がつかまれ、スっと、セイカくんの体に私の身体はスッポリ吸い寄せられ、ギュッてされて、私のほっぺはセイカくんの胸にぴたっとひっついた。
ほとんどハグ状態のままの私とセイカくん
!?…
私の身体はみるみる熱くなって、セイカくんにも気づかれてしまうくらい、たぶん、顔も、真っ赤になっているだろう。
大嫌いな男子と密着している
イヤ…
「 行くぞ… 」
ダメ…ヤダ…
意思とは無関係に、訳もわからず頷きながら、セイカ君に身を任せてしまっていた。
セイカくんは後ろ向きのまま、私を抱き抱え車両に乗り込んだ。
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