第27話

そのまま眠ってしまい、私が起きた頃にはもうすっかり暗くなっていた。


夕食の時間になると、何か言いたそうに私を見ているお母さん。


「 なに? 」


「 別に 」


と、言いながらも私を見てニヤニヤして


「 顔になにか付いてる? 」


ほっぺから口もとを触ってみた、けれど何もなさそう


「 なんかへん、いつものお母さんじゃない 」


「 そう?」


「 も〜お…はっきり言ってよ! 」


「 あなたを見ていて、大きくなったなぁってさ、そう思っただけ 」


ぶっ!…


思わず吹きそうになった私


「 そ、それって嫌味!?いつも、ちびちびって言われてるんだよ! 」


「 お~こわッ…でも良かった!…それだけ元気なら、もう大丈夫ね 」


「 うん?… 」


「 あら?どうしたの? 」


「ううん…なんでもない…ごちそうさま 」



食器を持ってキッチンへ、コックを上げると…



水!…



あの時!?、大量の水が足元におしおせて来て、流されたらどうしようって、ワンちゃんを助けられなくなってしまったらって!…


そう思っていた時…


思い出した!・本当はすっごく怖かった…


足もブルブル震えて、心臓もドキドキが止まらなかった。


でも、あの、肩車の人が助けてくれたから…


あ…


なんだか顔が熱くなってきた…


だって、あの綺麗で優しい瞳の人が…


肩車で…


やだ…


両手で顔を覆っていた。


そうだ!

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