第18話

「わたしのはこれね…ハイ!」


「あ、ごめんなさい・・ち、違うんです…さっきのサイレンの事で…」


「 サイレン?…」


「 て、なんだっけ?」


「 あっ、天神川の水位がどうとかってやつ?」


2人の先輩は急にテンションが下がってしまった。


「 はい…水位のことを聞きたくて…」


「そんなのわかんない、けど、すっごい雨だったから、それなりにヤバイんじゃないかなぁ…サイレン鳴らしてたくらいだもんね…」


「……」


セイカくんは何故か肩を落としてしまう。


「 それよりさっきのスマホの、交換しようよ!ねッ! 」


「 いえ…ケイタイ持たない主義なので…」


そう答えると、すぐさまセイカ君は何事も無かったかのように、スッと、もとの場所へと戻って行ってしまった。


『 じょうとー ! じょうとー !…』


駅に到着し、ドアが開くと生徒達は電車から降りて行く。


そのまま私達も、さっきの2年生の後ろについていった。


「 今時持ってないなんて、信じられるぅ?」


「あはは ふられたんでしょ… 」


「あんないい子いたんだね…将暉以上にイケメンじゃん、チェックしとこ…」



ふ~ん…


山代くんが言ってたこと、本当だったんだ。

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