第19話
城東駅から外へ出ると、どんよりとした灰色の景色が広がっていた。
ふと気がつくと、私は山代くんとセイカ君のすぐ後ろを歩いていた。
ーー
「マジにナンパだと思ったよ」
「なわけねーだろ」
「でも、ふたりとも美人だったよな、特にあの左側の髪の長いほうの先輩」
「 ふ〜ん 」
「ふ〜んて、なんだよそれ…お前がそんなだからオレに彼女ができないんだろ?」
「 自己責任・・ 」
「 ふん!・・あーあ!いいよなあおまえは、なんの努力もなく、いつだってあんな感じでさ、女子のほうから誘ってくるんだから… 」
「 …… 」
「…あ、それよか、天神川がどうのって、なんのこと?」
「 別に… 」
ーーー
後ろ姿なら見ていられる。
こうしてあらためて見ると、セイカ君の長身にビックリ、高いと思っていた山代くんでさえ小さく見える程だ。
少し歩くと、 雨の音で良く聞きとれないけれど、今、天神川って山代くんが言ってた…
アレ
前の2人につられて、私まで違う道に来てしまってたんだ・・
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