第17話


私と山代くんの間を無理矢理割り込んでくるセイカ君



「 セイカ?…」



山代くんが声をかけても、それを無視するように通り抜け、私の斜め前に座った女子生徒達の方へ行ってしまった。



( エッ!! あの女嫌いのセイカが…ナンパ?…)



女子生徒達は私達と同じ制服、しかしネクタイは赤のチェックだった。


2年生の色だ


セイカ君に気づいた2人は会話を中断してしまい、彼を見上げた途端、目を丸くし両手で口をふさいで、両足をドタバタし始めた。


すると


セイカ君は先輩達に話しかけ始めたのだ。



「あの?」



「?!?…」



「ちょっとだけ、いいですか?」



先輩達は言葉が出ないのか、何回も頷いている。



「 教えてください…」



先輩達は顔を見合わせ、嬉しそうに互いの手を握り合って、揺さぶっている。


「あたし?」


ロングヘアの人が自分を指差して言うと、今度はショートヘアの人が、同じように指を差してしきりにアピールしている。


「わたしでしょ?」


「ずるい~・・じゃあ…一緒に! 」


2人は立ち上がると、セイカくんの目の前にスマホを差しだしながら言った。


「 あたしのNO.これだから…」


    

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