第2話 変わった世界
世界の常識なんてかわることなんてよくある話だ
技術革新や自分の立場の変化だ
タバコ一つとってもそうだ
一般的な紙タバコや水タバコ、噛みタバコなどが常識の世界に産まれたのが電子タバコ
火でつけるタバコか、水を通すのか、煙草の葉を噛むのか
違いがあるが日本で普及したのは紙の巻きたばこ
煙草の葉を紙で巻いて火をつけ、フィルターを通して煙を吸う
それが火による燃焼のし過ぎでタールなどが出るのが生物にとって良くない事がわかった
技術の革新によってバッテリーが良くなり、電気製品が精密なものでも耐久性が上がり、電熱でタールがでない程度に蒸気で熱して吸う。物によっては水を通すものもある
燃焼しきらないことによって有害物質を燃やしきらないからそっちのほうが危ないなんて話もある・・・
電子タバコを吸い終わり、紙の巻きたばこを吸う
『一日3本』まで
それが我が家のルールだ
社畜で下っ端をしていたときはタバコが吸いたくてたまらなかった
■が生まれて止めたんだ
不思議だよな、こんな不味いものが吸いたくて吸いたくてたまらなくて
今は吐きそうなほど不味いのに吸う
実際、タバコの害とはどこまでが本当なのだろうか?
90になって肺は真っ黒だと言われる人でも死ぬその日まで元気に過ごしていたとかは聞く話だ
フィルターで有害物質の殆どはなくなるのか?
ならば、この焼けたタバコの先から出る煙こそが真の害悪なのか?
口のほんの先の紫煙を見てしまう
大切な三本を最後まで吸い切って金属バケツに入れた水の中に入れる
・・・吐き気がする
だから飲み込む
見上げる空だけは今日も変わらない
青くて、白くて、いつもの空だ
この世界は変わったのはいつからだっただろうか?
人にレベルが設定された日?
ダンジョンが世界に産まれた日?
・・・■■■■で■■■■■だ日?
どうでもいい
俺は約束を守るだけだ
今日もネクタイを締める
ハンカチにチリ紙
身体に合わせた特注のコート、その中でも汚れても良い練習用のものを選ぶ
なんでも補修してボロボロだこれが着れなくなるまで、いや、俺とこいつどちらが先にダメになるだろうか?
『持ち物チェックは大事』だ
ナイフも持った、カバンも持った、手品用具も持った、ICレコーダーも、有線のイヤホン、コートに水、酒も
3重チェックをする
コーヒーを飲み、小用を済ませ、最後に歯を磨く
今日もヒゲもなく、きれいな顔だが疲れが見て取れる
ファンデーションで隈を少し、いや、もうないんだった
『身だしなみはキチンと』だけど『仕方ないときは仕方ない』っていうのもルールだ
時刻は8:30、良い時間だ
最後に大事なルールを守って家を出る
「『行ってきます』」
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