第41話

ここはソクジュ、新しい『国』。

人里で暮らす魔族を、魔族と交流をしたい人間を、受け入れる場所。

王宮で鳳凰が翼を広げる。一言も発さず、人間の前で美しく舞う。

「綺麗な鳥ね」

(鳳凰神だっ......)

レウォは観光客を睨みつけた。

だが、鳳凰は『鳥』と言われても嬉しくなって胸を張るのだ。



ザックたちは東へ向かう。鳳凰のくれた地図は、フートテチ語で書かれているものだった。

「リュウガサン、読めるか?」

「......ふむ。なるほどのう」

「美味しいお菓子屋さんあったぁ?」

ラビーが地図を覗き込もうとする。リュウガは身長が2mなので当然見えなかったが。

「これは中央、文庭(ブンテイ)の地図じゃな。やはり人魚の楽園の地図は鳳凰族にも入手は不可能だったようじゃ」

「中央?」

「俺たちが次に向かう場所だよ。そこにも王宮はあるんだけど、今は跡地になっているね。リーシーさんが仕事をしていると思うよ。ザックぼっちゃんとラビーぼっちゃんは小さい頃に何回か会ったことがあるね」

「リスおじ、その人だれぇ?」

「リーシーさんは旧フートテチ王国の国王だった人だよ」

「国王?すごいすごい!多分!」

ラビーがはしゃぐ。

「父さんの知り合い、すごいな。アントワーヌ大統領といい」

ザックが言うと、ゾナリスが頷いた。

「ところで、南には行かぬのか?」

「あー、ししょーの故郷だっけ。たしかニチジョウ......日条?」

「リュウがたくさんいるのかしら?」

「龍族だけではないぞ。鬼もおる」

「鬼族!?頭から角が生えているんですよね!?虎柄のパンツを履いているとか!」

デヴォンが身を乗り出す。

「ま、ままままま、まぁ!!パンツだなんて!本には下着のことも書いてあるのかしら?!!?」

「鬼族はズボンを履かんから常にパンツなんじゃ」


「うーん、南には行かないかな......」

「そうか......」

「えー!鬼煎餅食べたいよぉ!」

ラビーが抗議する。

「鬼煎餅ってなんだよ......。今回は制限時間があるから仕方ないか。この旅が終わったら皆で来ようぜ、それならいいだろう?ゾナリス」

ザックが口角を上げた。

「ぼっちゃん......!もちろんだよ。皆で行こうね」

「ふん、何はともあれ次はブンテイじゃな」

「ソクジュみたいにぃ、みんな親切だといいなぁ!」

「こっちから何かしなければ大丈夫だよ。ね、ザック?」

一行は東に向かって歩く。旅はまだ始まったばかりだ。

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