第2話

今となっては彼の第一印象も思い出せない。

かっこいいともとくに思わなかった。

ゆみとしょうごくんをくっつけるための

休日。

ショッピングモール行ってカラオケ。

今までより仲良く少し距離が近づいたかな程度で特に進展もなく時間が過ぎる。

受験が終わった頃のことしか思い出せない。

ゆみとしょうごくんと私は女子率高めの同じ高校。

彼は男女比率同じくらいの近くの高校。

新しい環境への緊張とわくわくで彼の名前なんてうろ覚えで思い出すこともない高校生活の始まり。



中学からと変わったのは周りのメンツぐらいで相変わらず誰がかっこいいだのそんな話。

恋のことばかり考えてた毎日。

初めての合コンもしてみた。

なんとなく仲良いグループができて、彼の仲良いグループと一緒に遊ぶことになる。

それから何ヶ月もなぜだか同じメンツで遊ぶ。放課後近くの施設にある大きな階段でただおしゃべりするだけ。たまにカラオケ。

そして徐々に誰が誰を好きっぽくなる。

あたしはいつのまにか彼を好きだった。

第一印象は特になにも感じなかったのに

周りが恋を始めていたことで流されていただけなのか。

いや、彼は中学の時より垢抜けてたしかに

かっこよくなっていた。

今でも変わらない彼のなんとも言えない天然なとこ。ゆるい話し方。

みんなの飲み物買ってくる。なにがいい?

お茶。ミルクティー。そんな言葉が飛び交う中、

「桃みたいな。桃の炭酸が入ったなんか飲み物」

なんだそれ。はっきり言って。周りの友だちは軽く苛立ってたけど私はそんな発言が愛おしてしょうがなかった。可愛い。可愛すぎた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

キミヘ りんご @miki0323

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る