バウンダリ編 第2章 第22話 波紋

 移動途中で、名物というほうとうと言う平打ちの太い麺を頂き満足して、少し遠くのサファリ―パークを見に行き、フジをぐるっと回り風穴観光に行くと予定されていた。

 サファリ―パークに到着し、トイレ休憩やパン工房とかを見た後、専用のバスに乗り換え園内に入っていく、金網の為なかなか面白い小一時間で出口に到着したが、なぜか動物たちが遠巻きに見るだけで近寄ってこなかったのが不思議だった、運転手さんもバスの進行を邪魔する個体が普通いるのに、近づくと勝手によけて行ったと不思議がっていた。


 内輪では、やっぱり魔王だと囁かれたが無視することにした。


 少し時間が押してるので、さっさと風穴に移動をした小田3尉が白旗を持ってガイドをしていたがちょっとした洞窟を見る感じで、途中昔の氷室や保存資料などの展示があった。

 そこそこの、広さもあり達男と高津さんは楽しんでいるようだった、ダンジョンでのトラウマは無いようで何よりだ。


 そしてもう一つこの近くの氷穴に寄って行くようだ、案内看板を見ると風穴との違いは構造と溶岩に物質が飲み込まれ発生したガスや溶岩が噴出して形成されたか、溶岩の冷える速度の違いでできた隙間という感じのようだ。


 そして、また小田3尉が白旗を持ってガイドをする、ただこちらは少し狭く階段も多いようだ、ぞろぞろと侵入していく・・・んんっ、

「凜、気が付いたか?」

「えっ何が?」

「ここ入り口で、魔素の方向が変わった、ダンジョンだ」

「えっ観光地で一般の人もいるよ」

「ああ、まずいと思う」

「小田3尉!!」

 手を振って呼ぶと、なぜかスキップしながらやって来た、階段なのに・・・


「小田3尉」

「今日はオフなんだから、水希、み・ず・きって呼んで」

「ああっと、じゃあみずきさん」

「まあいいか・・・で?」

「ここダンジョンです、魔素を見てください、そこに境目があります」


「えーと・・・集中して・・・んーとあっほんとだ、どうしよう?」

「とりあえず、軍に連絡は入れましょう、まだモンスターが発生していないのか、今まで通り発生しないのかは不明ですが、ここで空間がずれているのは間違いないですから」

「そうね、大佐に直接連絡しましょう」


 端末で、連絡をするとすぐに出たようで、事情を説明をする、すぐに魔法部隊を1班ほど派遣するが、観光がてら内部の探査を頼むとなってしまった、

「まあどちらにしろ、今から入るところだったので一緒ですけどね」

 と言って通信を切った。


 しようがないので、小田3尉と凜、それと飛田3尉で集まり情報を共有する。

 ダンジョンだということで警戒しながら進むこととなった。

 ついでに、飛田3尉からも苦情が来て休暇中は、ほむらさんと呼ぶことになった。


 家族グループを囲む様に配置につき、一応探査魔法を使う、ここ自体は総延長150mくらいなので数分で抜けることができる。この空間にはモンスターはいないことが分かったが、何か奥に続いている感じがするひょっとすると、周辺にあるダンジョンとつながっている可能性があるようだ。


 途中にあった地獄穴の看板を気にしつつ探査魔法をかけるとすぐ先で空間が終わっている感じがする、水は流れ込んでいて空間が終わっているのはここが1階となっているのか、と考えながら氷柱の脇を抜け登りの階段を上り始めると、前と言うか上段にいた美馬さんが、振り返りながら

「すかー・・・」

 と言いながら降って来た・・・慌てて抱き留めようとすると、彼女が上からで自分が下から迎えに行ったため、自然にキスしてしまった・・・


・・・


 ちょっと、お互いに硬直したため・・・比較的長く・・・

 そっと離れて、

「ありがとうと」

 支えたお礼だろうか、彼女が言ってくれた。

「あー、さっき言いかけたのっていったい?」

「ああ、スカートだから先に上ってと言おうかと思って・・・」

「・・・ああそうなんだ、でも危ないから、すぐ後ろに居るようにするよ」

「ありがとう」

 と言って登り始めた。


 導人は、さっきのトラブル発生時、探査魔法を使用しており、トラブルの瞬間その出力が吹きあがった、つまり近くに居たものは魔素に曝露してしまった、小田3尉の引率のおかげで大人たちは離れていたのだが、ちびっ子たちは全員・・・かわいそうなのは高津さんのお兄さん飛海くん・・・成人した大人ほどではないが次の日遊園地にも行けず苦しむことになる。


 それ以外では、多少周辺のダンジョンにいたモンスターが何かを感じて暴れたようだ。


 外に出ると、近所に基地があるため隊員たちが到着していた、小田3尉の隊の人間のようだ。家族たちにはバスで帰ってもらい、報告の為小田3尉と飛田3尉、実際探知した導人が報告を出した、ダンジョンの一階には違いは無いがモンスターはいない、たぶんどこかのダンジョンとつながっている事を報告した。


 しばらくは、隊の人間が常駐して様子を見ることとなった。


 多分ここは、ダンジョンからは細い空間でしかつながっておらずダンジョンにとっては壁の隙間の認識だろうと思われる、ここでの再発生はモンスターにとっては壁の中で埋まるイメージではないかと注釈をつけて報告書は締めくくった。


 一応、もう一度隊の人間と一周コースを回り、地獄穴の看板付近で探査をして空間が切れていることを確認する、この事は一緒にいる小田3尉と飛田3尉に共有し彼女たちにも確認してもらう。

「確かにこの先で切れていますね」

「と言うことは、そこの先は2階層になるのかな?」

「いや、いやというのもおかしいが、ダンジョンの外かもしれない、見落としている所に、ダンジョンとつながっている穴がああるのかもしれないし」

「その可能性もあるのか」

「その先の氷柱のところも奥は分からないしね」

「あのきれいな所ね」


 しゃべりながら、移動していく・・・

「そういえば、えい!」

 いきなり、小田3尉にキスされた・・・

「さっき見たわよ、階段のところで・・・急激な魔素の高まりを感じて振り返ったら美馬ちゃんとチューしてた・・・から私もしてみました・・・えへ」

「あれは彼女が階段から落ちそうになってそれをた・・・むぐっ」

 今度は、予想通り飛田3尉が張り付いて来ていた・・・

「・・・私も我慢してたのにみんなずるい・・・」

「えーと、僕の気持ちは?」

「「いやだったの?」」

「いや別にいいけど・・・美馬さんと違ってべろが・・・」


「それが大人の証拠よ」

「僕中学生だし、隊のみんなもいるんですけど・・・」


 そこで、二人は周りを見回し真っ赤になる・・・

「さあ、みんな戻るわよ」

 と二人並んで階段に向かい2人並んで躓いてこけた・・・


 やっぱり最近仲いいな・・・



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