バウンダリ編 第2章 第14話 熱望
さっきまでと同じようにモンスターを倒し空中で結晶をつかむ神業を行いながら駆けているが、私たちを気遣いながら速度を合わしてくれている、彼の気遣いが心に来る。
報告のために出発したときには、なぜか足がすくみ早く離れようと言う想いしかなかった。
それが今日は、とても気持ちが軽い気がする・・・
しばらく走ると、周りに隊員が増えてきた、スピードを落とし目の前に現れた集団に近づいていく。
私たちの、隊員たちもこちらを視認したみたいで笑顔がこぼれるのが見える、なぜかほっとする、同時に逃げ出したことへの後悔が胸に湧いてくる。
隊員を集め彼の紹介をする、あまり詳しくは言えないため非常勤の軍人で私たちの魔法の師匠だと伝え、今は3尉であり命令には従う事だけは念押しをした。
報告では現状事態の変化はないようだ。
彼が、
「どうします?ちょっと休憩して突っ込みますか?」
と言ってきたがさすがに、すぐには無理だ、小田3尉と見合わせ、
「ある程度の物資は必要だろう、私たちの部隊から各5名くらいはつけた方が良いんじゃないか?」
と答える。
「じゃあ、準備ができ次第出発ということで、僕は仮眠します」
「お姉さんも一緒に寝ようかなぁ?」
とおどけて軽口を言ったが、後ろからすかさず、
「飛田3尉案件になります、それに準備もしてください」
小田3尉から突っ込まれた。
「えぇー、じゃあ深見君お休み~ゆっくり休んでねぇ」
しようがなくそれだけ伝え準備に向かう・・・
6時間後、準備後仮眠を取った後、深見くんが行方不明の為探していた、すると隊員仮眠所の一角に人だかりができているのを発見する。
近づいてみると、深見くんが寝ているのだが周りに見えない壁が張り巡らされており近づけない。
「これは、シールドかしら?」
「そのようです、本人はどう見ても眠っているのですが・・・」
「便利ね、どうやって作るのかしら?」
「取り合えず準備はできたし、起こしたいのだけど、どうしましょ」
「深見3尉起きてください」
と声を掛けながらシールドを叩くと
「ああ、時間ですか・・・」
と言いながら、目を覚ますが、周りを囲まれている状態に唖然とする・・・
「いったいこれは?どういう状態なんですか?」
「その張っているシールドが、珍しいものだから集まった様ね」
「ああこれですか、便利ですよ」と言いながら解除する。
「これは、作成するときに作成者が解除するまで状態を保つように意識して作成します」
「魔法はイメージする力が重要です」
「「「「「おおっ」」」」」
「じゃあまあ、行きましょうか」
扉の前に移動すると、両側に分かれた5人ずつのグループが待っていた
「じゃあ出発よ」
と私の号令で、扉に突入を開始した。
最初に、単身の深見くんが突入し、私は隊の5人が装備を持ち突入するのに合わせて続いて入った。
入って最初に、周りを見回すが深見くんが見当たらない、その瞬間体から何かが抜け落ちた気がして不安が顔を出すが、隊員がいる弱みを見せてはだめと自身を鼓舞する。
少し待ってみたが、小田3尉とデルタ小隊が来ない。
「来ないわね、出発する」
不安を振り払い出発する、先に進めばきっと皆が居る・・・はず。
小1時間ほど、警戒しながら進んでいると無線に感があった。
〈おおーい聞こえるか? オーバー〉
〈ザザッ聞こえる、こちらはチャーリー飛田だ オーバー〉
〈飛田3尉、深見です、今反対側の境界にいます 今要救助者エコー小隊の3人といます オーバー〉
〈わかった、そちらに向かう アウト〉
やった、深見くんだ、私は全速力で会いに向かった。
エコー小隊の3人を彼は見つけていたようだ、さすがだ・・・
彼にダンジョンに張られた次元の境界を使った罠の説明を聞き、これからの相談をしていた。
すると突然彼が無線を使い交信を始める、話の内容から・・・チッ、小田3尉が追いついたようだもっとゆっくりで良いのに。
10分ほどで合流してきた、彼が同じようにトラップの説明をしデルタ小隊に少し休憩時間を取った後、
「とりあえず当初予定されていた隊がそろったので、迷子にならないように3小隊を探しましょうか」
と言った時に、境界を見張っていた隊員から報告が入る。
「隊長このエリア探査に反応があります」
探査すると発見したようで。
「5人セットのようだ、みんなこちらに移動してくれ」
一応みんなが移動した後、元の側に頭を突っ込み索敵をする。
「良し元の側につながったエリアには誰もいない、進もう」
もう少しで反対側の境界のところで、5人発見やはりエコー小隊だった。
それからは、彼の推測に従いどんどんとエコー小隊の隊員を発見していく、罠の2回廊を推理しボスのいる扉まで一気に進んでいく、彼に頼りっきりで申し訳がないけれど、本当に中学生なの?
扉の中では見たこともないモンスターと、行方不明だったアルファとブラボー小隊が戦闘をしていた。
そこからは、彼・・・導人くんの独壇場だった。
神々しい雷を落とし空が落ちたかのような空気の流れ、目の前であの狂暴そうなモンスターが消滅していく・・・同じ魔法使いなんて名乗れない・・・彼は神だわ、目の目で起こった神話の中の一説のような戦い、その幻想的な雰囲気の中で頬を伝う涙に気が付き、同時に自分の中に芽生えた感情が憧れなのか恋なのか彼女には判断する事は出来なかった。
戦いが終わり周りの雰囲気と景色が変わる、静かにたたずんでいる彼・・・ええーい
「導人くん、すごーい」
どさくさにまぎれ、飛びつき抱きしめる、なんていうか幸せ・・・
強引に引きはがされ、ぽいっと捨てられた、小田3尉が仁王立ちしている。
・・・痛いわね。
地上に戻り、報告の会議中山本大佐から注意された・・・小田3尉ったらチクったわね・・・はっ・・・もしかしたら作戦から私が外される? 導人くんと会えなくなっちゃうの? そう考えた瞬間とても胸が苦しくなった・・・駄目よそんなの許せない、帰りに送って行きながら話をしよう・・・そうすればきっと仲良くなれる、そうよね小田3尉に邪魔されないように注意して速やかに計画を実行しよう・・・
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どうしよう嫌われちゃったかな・・・でも連絡先も交換したし・・・お友達からって言ってくれたし・・・ううう・・・導人くん
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