バウンダリ編 第2章 第13話 萌芽
呼び出されたのは、それから5時間後だった、準備をして上に上がるが部屋の前で控えていてくださいと指示され、パイプ椅子に腰を掛ける。
中からは何か声が聞こえているが詳細までは分からない。
しばらくすると、中から山本大佐の声が聞こえた。
「入れ」
声に従い入室をする。
山本大佐が、
「小田 水希 3尉と飛田 ほむら 3尉だ」
「深見 導人 非常勤の特別技能職員 特別士長相等です、よろしくお願いします」
双方ともに頭を下げる。
うわーかわいい、高校生かな?
小田3尉が、山本大佐に質問をする、
「山本大佐、失礼ですが彼がとっておきの戦力と仰っていた方でしょうか?」
「そうだ、一度彼と君たちはここの地下で会っている、まあ双方ともに防護服を着ていたため覚えはないだろうが、君たちの魔法の先生というか師匠というところだな」
「「あのときの・・・」」
「で今回の作戦中では、階級は考えないこととしてくれ、基本君たちは共同作戦として同一の立場として作戦を実行してくれ、彼はまだ中学生のため特別士長相等だが力は強力だ、作戦中は君たちと同じ3尉とする」
「「中学生ですか・・・」」
「時間がないので、さっそく準備に入ってもらおう」
「「「承知しました」」」
さっき見た瞬間、今までに会ったことのない好みの姿と顔、一気に気になる対象となってしまった、周りのゴリマッチョの隊員とは違い、背はすらっとし小顔で美形というよりはかわいい感じ。
「うわー、中学生だって、捕まっちゃう所だったわ」
「飛田 3尉何をする気だったのかしら?」
「えっ、いえ別に・・・かわいい感じだなーと思って・・・」
「確かにね、中学生にしては背も高いし、ちょっと線が細い感じだけど学生っていう感じの初々しさが良いよね」
「小田 3尉手を出したら捕まるわよ」
「わかっているわよ」
装備を整えダンジョン前に集合し、山本大佐から作戦実行時の注意点を聞き作戦開始となった。
「じゃあ、行きましょうか」
小田 3尉がそう言うと
「身体強化は使えますか?」
と彼がが二人に聞聞いてきた
「「使えるわ」」
「分かりました、じゃあ行きましょう」
と先頭を切って導人が突入していく
その後に続いたけれど・・・ほんとに中学生?
途中で索敵とモンスター退治も行いながら、すごいスピードで走っていく、つっ付いていけない、なんていうスピードなの。
やがて付いて行けていないことに気が付いたのかスピードを落としてくれた。
「18階までノンストップってすごいわね」
「ああすいません、付いてきているようなので大丈夫なのかなっと勝手に判断して」
「ああ、うん大丈夫よ」
「ここまでで50km位よね」
「それも世界記録ペースだわ」
「途中でモンスターが居なかったのはラッキーかな」
「いえ倒しながら進んできました」
「「へっ?」」
「索敵に引っかかったのは倒しました」
「へっ、結晶は拾ったの?」
「拾っていません、拾うんですか?」
「倒したら拾ってね、軍の収入だから」
「了解です」
再度移動を始め、彼は言ったことを守ってモンスターを倒し結晶を拾っているうちに二人が追いつくと言うことを繰り返していたが、何かしているようで徐々に追いつけなくなってくる。
遠距離で攻撃していたのを、視認できる距離での攻撃に切り替えたようで、彼が何をしていたのか分かってくるようになった、私たちが数人で対応するモンスターに対しすごくスムーズに魔法を撃ち出し一撃で倒す、それだけでもすごいのに結晶を空中で拾うのを試しているようでけれど、そのすべての動きが滑らかで流れるようにすべての動作を行っている、その動きに目を奪われる・・・
また、スピードが上がってきている・・・追いつけない、彼の姿が遠ざかっていくにしたがってなぜか私の胸が締め付けられるように苦しくなる・・・
どのくらい離れてしまったのだろう・・・小田3尉と二人、身体強化を繰り返しながらひたすら走っていると、向こうから彼が引き返してきたどうしたのだろう?
「すみません、2人が居なくなったのを気が付きませんでした」
「はぁはぁ・・・良いの・・・いや良くはないけれど、こっちこそ足を引っ張っちゃってごめんね」
「少し休憩しましょう」
「はぁはぁ・・・、ありがとう」
この時彼の顔を見、彼の気遣いを聞いたとき、私は自分でも気が付かずに涙を流していたようだ、思わず顔が赤くなるのが分かった、気づかれてないよね・・・とドキドキしていた。
「今何階でしょう?」
と問われ
「さっきの中継所に36っていう旗が立っていた気がするから36階でしょう、たぶん」
「あれ、じゃあ、さっき39階だったのか・・・」
と彼がボソッとつぶやいたのが聞こえた・・・
30分ほど休憩した後、
「もう少しだから50階まで行こう」
と彼が言い出発をした。
休憩中に彼がどこからかクッキーを出して分けてくれた、少し甘くて小田3尉と二人とも、なぜか少し涙ぐんでしまった。
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