バウンダリ編 第2章 第11話 友人
しばらくすると、山本大佐が戻って来た・・・が一言
「まいったよ・・・」
しみじみと、
「あの年頃の女の子の気持ちがわからない」
とぼやいていた・・・
「えーと結局どうなったのでしょうか?」
「ああ、まずは実行の動機だな、動機は会議で私にいさめられたのが動機だそうだ・・・」
「深見くん、君女の子の事というか気持ちに詳しいかね?」
「はい?? すみません・・・妹はいますがよく分からないことは多いですし、15歳なので・・・彼女とかも、クラスメイトの中にはいる奴もいるようですが、僕はそんな相手もいないですし・・・すいません」
「ああそうだな、中学生に何を言っているんだ私は・・・」
「まあとにかく、会議の時に君に対するスキンシップはほどほどにと言っただけなのだが、彼女はなぜか今日を逃すとこのままでは会えなくなるかもしれないから、食事でもしながら話をしようとしたらしい・・・それで・・・車に乗せて慌てていたのは小田3尉に邪魔をされると思って慌てていたらしい・・・まあそれは当たりだったが・・・」
「君がまだ中学生だということを言って、もう少し手順を踏んでゆっくりとできないものかと言っても、この年頃の女の子の焦りを理解していないと逆に怒られてしまってね・・・ははは・・・はぁ~」
「・・・こんなのは・・・どうしたらいいと思うかね、娘を持った父親はこんな感じなのかねえ? 私は息子ばかりで娘はいなくて・・・」
「あ~奥さんに助言をもらうとかどうですかねぇ」
「あ~そうだね、少し時間を頂くよ」
と、トボトボと部屋を出ていった。
よくわからないけど、中間管理職って大変なんだなあとしみじみ思ってしまった。
しかし、女の人って・・・思い込んだらさらおうって・・・そういうのって普通なのかな・・・
でも、小田3尉はそんな感じじゃないし・・・はっ、小田3尉は彼氏がいるのか、それで落ち着いているのかな・・・と色々考えていると、山本大佐が帰って来た。
「まいった、なんで軍に中学生が居るんだって、君の能力を隠して説明する方に時間を取られてしまった」
「それで奥さんは、どう言うことにしろと・・・結論は出たんですか?」
「ああ、そんなバカはほっとけと言われた・・・何かしても自己責任だろうと、一般的にはそうなんだろうけど、組織だから何かされると私が困るんだけどね」
「あっ、お見合いさせるとかどうですか」
「いや君が気に入ったと、なんだかビビッと来たらしい」
「なんだかすいません、ここで二人で話をしても結論が出ないので、飛田3尉と話をしましょう」
「いいのかね?」
「ええまあ、襲われはしないでしょう・・・ははは・・・ふぅ」
隣の部屋に移動し、飛田3尉を見ると手錠は外されていた、ただぐずぐずと泣いているようだ。
脇には、呆れた顔をした小田3尉が控えていて妙な空気が漂っていた・・・
なんだかこの空気・・・こわい
でもまあしょうがない、
「えーと、3尉・・・飛田3尉」
がばっと起き上がりこっちを向いて
「こわばらせてごべんなさい」
怖がらせてごめんなさいかな?
「いや大丈夫ですから」
「ごんんだどひいじゃうよで」
あーこんなの引いちゃうよね・・・かな
「いや大丈夫ですから、ただまあ周りの皆さんが言っている通り、僕は中学生なので・・・それにまだ知り合ってそんなに経っていないし、お互いに良く知らないでしょう?」
「ゔん」
「せっかく同僚になれたんですし、お友達からで始めませんか?」
「い゛い゛どぉ?」
「ええまあ」
「ありがどう゛・・・うっうっ」
ぽろぽろとまた泣き出してしまった・・・
ここまで来て、壁際で控えていた小田3尉が
「深見くん、この馬鹿を友達扱いをするなら私もお願いします、少し年上だけどよろしくね」
「へっ? 小田3尉彼氏がいるんじゃ?」
「えっ、何処でそんな話に?」
「いないんですか?」
「ええ」
「飛田3尉が暴走していた時にも、落ち着いて対応していたから、てっきり彼氏持ちの余裕かと思っていました」
「ああ、ありがとう、この馬鹿と違って良識がありますから、馬鹿なことをしないだけよ」
「そうですか、まあよろしくお願いいたします」
「・・・えーということで山本大佐お疲れ様です、何とか話は落ち着いたようです」
「ああ、それは何よりだ、君には感謝するよ」
「大佐」
「何だね、小田3尉」
「飛田3尉は、あんな馬鹿なことをしておとがめ無しなんですか?」
「ああいや、敷地内のスピード違反と重要保護人物の略取容疑はあるが略取部分は先ほどの話し合いで済んだこととして、私としても公にしたくない、ただスピード違反は証拠が残っているから訓告・・・じゃあすまんな・・・懲戒処分減給2~3か月くらいかな、ああ今だとちょうど賞与にも引っかかるな」
「・・・それと、私が深見くんの運転手します」
「小田3尉さすがにそれはできない、警備部の都合もあるしな」
「そうなんですか、残念」
「ああそうだ、この端末多少は個人的に使ってもいいんでしょうか?」
「ああ構わんが、非常時には情報公開の対象で検閲を拒否できないがいいかね」
「ええ、それなら、連絡先交換しましょうか?」
「えっいいの、交換しよう」
その時後ろから声が響いた
「わ゛だしもづる」
「ああ、はい・・・交換しましょう」
無事にその日は、いつもの車で帰宅することができた・・・
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