バウンダリ編 第18話 驚嘆

 教室に、先生が6人と教頭先生が1人何故か頭を下げている???


 昨日の夕方から、教頭先生の机に置かれた電話が鳴り続け、受けてみると先生方に試験の邪魔をされたという苦情、苦情を受けた教頭先生は対象の先生方を探そうと職員室を覗くと対象の先生方は都合よく?集まってなにかを相談している・・・


 気配を隠蔽しながら仙術を極めし縮地並の速度で近づき「楽しそうに、皆さんが集まり何の相談だね?」と声をかけた、驚いた顔をしてこちらを見る先生方・・・追い打ちをかけるように、

「いや、少し前から、私の所へ多くの苦情の電話が幾つも掛かって来ましてね、職員室を見るとその対象の先生方が、顔を突き合わせて何かを相談している・・・内容が気になるのは当然だと思いませんか?」


「あ・・・いや、大したことではありません・・・です」

「大したことじゃない? 私の所に掛かってきた苦情は、先生方にテストを邪魔されたと言う内容ですが・・・大したことがない理由で大事な3年生のテストを邪魔したという事ですか?」


 6人の先生はダラダラと冷や汗を流しながら、

「実は、深見が不得意科目で100点を取りまして・・・」

「結構なことじゃありませんか」

「あぁーいや、全部なんです100点を取ったのは・・・」

「すごいじゃないですか、それと、生徒の試験を邪魔したのはどういう繋がりがあるのでしょうか?」

「・・・ええと、最初の・・・1日目が英語と数学で深見の不得意科目で・・・100点を取ったから、まさか不正でもしていないだろうと気になってしまって・・・2日目のテスト状況を見ていいただけなんですが・・・」


「ほう、深見くんは何かしていましたか?」

「いいえ、普通に受けていました・・・」

「それでは、不得意科目を含め頑張った生徒を疑い、それを見張るために他の生徒にまで迷惑をかけたと言うことですかな?」

「ああ・・・いや・・・」

「どう違うのです? 生徒は頑張れと言われ頑張ったら疑われる・・・それは教師としてどうなんでしょうか?」


「ええと・・・すみませんでした」

「・・・謝る先は深見くんと生徒たちですね」



「・・・ということで、すみませんでした」

「特に深見、疑って悪かった」

 ざわざわざわざわ・・・・・・

「「「全教科100点!!」」」

 ざわざわざわざわ・・・・・・


 チラホラと、魔法とか見たとかの単語が聞こえる・・・

「あーちなみに、試験の答えを書くのも深見が一番早かったし、このクラスの生徒で他に点数が100点はいない、変な噂を立てるなよ」

「「それを先生が言いますか?」」

 いつもの二人が、野次を飛ばす。

「ああ・・・いやすまない」


 するとどこからか、

「先生の謎の踊りで試験を邪魔されたので、点数の補填をお願いします」

 の声が上がりはじめ、またざわめきが広がっていく


「あぁ~、それならもう一回試験をしようか」

「「「「「ええ~・・・」」」」」


 結局、その言葉でうやむやにされて話は終わった。


 すぐに、話は6月に入ってすぐの修学旅行に切り替えられた。

「それでは、試験の話はここまでにして6月の3いや2日から2泊3日で修学旅行が始まる、行き先は例年通りヤマト地方とヤマシロの都となっている、資料としおりを配るから後ろに回していってくれ」


「毎年間違う者が出るが、集合はエイド首都駅高速軌道ホームに2日の11時に集合となっている、特に2日は休日のため一般のお客さんに迷惑をかけないことと遅刻は許さん、以上だ」

「遅れたらどうなるんですか?」

「高速軌道車は時間の変更はできないため置いていく、一応家族の方の連絡があれば2日の見学はできないが宿で集合となる、後の高速軌道車に空きがあれば乗れるかもしれないが基本は自己責任ということになる」


「ちなみに変なものを持ってくると、見つけ次第送り返すからな、資料としおりは帰ってからご家族に見せること分かったな」


「次は、2時間目楽しみな英語だそれじゃあHRは終わる」


「佐々木先生どうされます?」

「一度職員室に戻ります・・・」


 ぞろぞろと帰っていく先生たち、先程のHRで点数加点をしなかったことで、これから起こる問題を回避した事実に気がついていない、もし加点を行っていればこの問題は他のクラスも巻き込み大きな問題へとなる所であった。



導人は帰ってから全科目100点だったことを家族に伝えると、夕食は外食となったようだ。

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