バウンダリ編 第13話 異変

 来週の中間試験に向かって少しは勉強しないといけない、今までの成績は中の上・・・と言っても得意科目は少し上で不得意科目は赤点ギリギリだ。

 就職と進学は決まったようだが、あまりに成績が悪いと使い道がないとか言われて閉じ込められたり・・・しないよな?

 いや、今は魔法が使えるのが珍しくて大事にされているようだけど、あまりにお馬鹿だと魔法しか能がないとか言われて、必要なとき以外は閉じ込められる・・・家族も一緒に幽閉とかって・・・

 

 いやそんなことは・・・ないよな・・・

 ぐるぐるとそんな事を考えていて、はっ! お馬鹿じゃなければ良いんだよな、他のことでも役に立てれば良いんじゃないか、うんそうだ・・・多分・・・キット・・・。


 勉強しよ・・・


 あれ?この公式ってこんな感じだっけ? 間違えて覚えていたのかまあ良いや・・・ふと時計を見ると30分も経ってない?? あれ、教科書が終わった? まあ別の科目も・・・


 3時間後、読んで理解するスピードがどんどん上がり3年の教科書はあっという間に理解したが、部分的に過去に習ったところが理解できていないとわからないところを調べようと、学年をどんどん遡りながら勉強していく・・・なんだか楽しい。


 少しハイになりながら、気になったところや判らないところをネットも使いながら読んでいく、そして理解する・・・そうか友也は厨2・・・

 えっ! 一部の人間に対し強力な感染力が有り完治が難しい、時には社会生活にも大きく影響が出ることがある、なんていうことだこれなら隔離しないといけないじゃないか・・・でも周りに感染ったような人はいないけどなぁ。


 はっ! 今何時だ? 時計を見ると5時になっていた、やば、寝ないと・・・


 朝、ちょうど7時に目が覚めた・・・短い睡眠時間のわりに体調も良い、着替えて下に降りていく、「おはよう」母さんたちに挨拶しモゴモゴと朝食を食べる、いつものように顔を洗いいつものように家を出る。


 ふと、意識を広げると周りに幾人かこちらを覗っているようだ、先日国家安全局の高橋さんが言っていたSPさんだろうか? 気にせずいつものように駅に向かう・・・うん、2人ついてきている担当さんか、こうしている間にも色んな人に迷惑をかけているんだな・・・


 学校に到着すると2人は離れていった、教室に着き扉を開け中に入ると、いつものように友也と達男が手を挙げる手を挙げ「おはよう」と挨拶するが、友也が「導人どうしてそんな可哀そうな目で俺を見てるんだ? 」


「いや、そ・・・そんな事無いんじゃないか、キノセイダヨ」

 と返事し席につく。


 うん、彼は病人なんだ完治するまでそっとしておこう。


 先生がやってきてHRがはじまる、今日から試験前の短縮授業になるようだ、3年生のみ予定がずれて昨日一日だけ通常授業をしたが、今日から従来の予定になるようだ。


 授業が始まり受けるが、数学も国語も社会も外国語もなぜか前から知っているような感じで既視感?がある・・・はっ転生者だったのか・・・

 ああ昨夜見たところだから記憶に残っているのか、予習をするとこんな感じなんだな今まで予習なんかしたことがないため新鮮な感じがする。


 授業が終わると友也と達男が何処か寄って帰るかと言ってきたが、周りの監視の人が気になるし「いや、真っ直ぐ帰るよ」と返事をして別れた。


 学校を出ると、すぐに2人の気配がついてくる、短縮授業の連絡も行っているのかなと考えながら家に帰る、なんとなく家に入る前に2人に向かって頭を下げてから家に入った。


 

 頭を下げられた2人:


 げっ、マル対にバレてる、今回は警護ということだからバレても小言ですむと思うが、追跡尾行の基本ができてないと主任からブチブチ言われそうだ、2人で顔を見合わせる。


「どこで、気がついたかな?」 

「どこかでヘマした記憶があるか?」

 2人が同時につぶやく


「「ああ、いや」」

 どうにもタイミングが・・・


「「まあ、いいか」」


 相性が良いのか悪いのか会話ができない2人だった・・・

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