第31話最後の会議
樫村は憧れの原美咲と一緒に
仕事ができる事に感動して
テーブルに手をつけて頭を下げた。
「今度は我々は何処かの課の継続捜査では無くて
独自の捜査をする事になるわ。ところで、一文字は?」
「今日の13時10分のJALで帰国します。
私はその前の12時30分の便で」
「私はあさってまでには帰ります」
美咲は予定を伝えた。
「はい、それが一文字と一緒にいた女性、
九条ゆかりは飛行機の
チケットを買っていないんです」
「どこかに行ったのかしら?」
「航空会社からは常時連絡が来るようにしておきます」
「お願いします」
ホテルの会議室で探偵に依頼を終えた一文字と磯村は
「会長、一緒にこちらに来た九条ゆかりと
矢上淳子と武坂雅美は?」
「あれか、フィラデルフィアに連絡係としておいてきた」
「連絡係ですか?」
磯村は不思議な顔をした
「NEL教団との契約では毎年300人ずつ留学させて
4年後には1200人になる」
「会長良くわからないのですが、
わが校は全学生で3000人
しかいませんがどうやって年300人も
留学させるんですか?」
「簡単だ。うちの学校はレベルが高く入るのが難しい」
「はい」
「そこでレベルを下げて一葉学園アメリカ分校で
新たに募集をかけるか、
補欠レベルの合格者を
アメリカに行かせればいい」
「なるほど」
「一葉学園の名前が使えればレベルが
どうあれ英語が話せるように
なればそれで就職できるだろう」
「そうですね。しかしそれだけで
どうしてNEL教団は
我々に500億円もの投資を?」
「彼らは日本にも信者を増やしたい、
その足がかりにミッション系のうちの
学校と手を組みたいわけだ。NRL教団はキリスト教の
分派だから変わりはしない、
しかも、日本では宗教法人なら献金とお守りは無税だ」
「分かりました、500億円あれば
3ヶ月前の損失分を取り戻せます」
「頼むぞ、もう失敗は許されない」
~~~~~~~
九条ゆかり、矢上淳子、武坂雅美の三人は
ギリシャの巫女のような白い衣を着て
教会の中に入って来た
「今からバプテスマ(洗礼)を行います」
牧師が三人に伝えた
三人は祭壇のまえにひざまつき、ステファノス牧師が
入ってくるのを待つとそこに足音が聞こえ
「顔を上げなさい」
三人が顔を上げると
背が高く50歳代の金髪にブルーの目の男が立っていた
「私がステファノスです、あなたがたは一文字兄弟の
連れてきた方です。特別な洗礼を行います」
「はい」
「その身に着けているものを全て取りなさい。そして
水で体を清めるのです」
三人は戸惑ったがつけていた白い衣装を
脱ぎ互いに様子を見ながら
下着を取って全裸になり
祭壇の脇にある黒い石の小さな
プールのようなところへ入った
白濁色のヌルヌルとした液体で入って数秒で
体がしびれ体のそこから湧き上がる
快感を止める事が出来なかった
三人は全裸のままステファノスの前に立つと
ステファノスはパンを裂き
「これは神の体です」
三人にパンを一口食べさせ
「これは神の子、私ステファノスの血です」
三つのワイングラスにステファノスは
自分の左手の人差し指を
ナイフで切り血を注ぎそれに赤ワインを注いだ
九条ゆかり、矢上淳子、武坂雅美の三人は一瞬驚いたが
特別な儀式と言われていたのでそれを一口で飲み干した
すると、三人の体は熱くなり目の周りゆらゆらと揺れだし
ステファノスの声が頭の中で反響して聞こえた
「今血の聖餐を行ったあなたは清められ巫女となり、
あなたたちは神の子このステファノスに従うのです」
「はい従います」
三人は何の疑問も持たず心から
ステファノスに従う事を誓った
「あなたたちは伝道師となりこのNRL教団の
布教活動をしなくてはなりません
そして、布教の為には私が命じれば
どんな事もしなくてはならないのです」
「はい、神の子ステファノス様の言われるままに」
三人は衣を身につけ教会の隣の棟の最上階の
大きなベッドがある部室に案内された
「これから、あなたたちに私の
パワーを与える儀式を行います。
服を脱ぎなさい」
白い液体を浴び血のワインを飲んだ
三人の体は異常に感じていて
ベッドに両手を着け足をお尻を突き出した
ステファノスは衣を脱ぎ捨て巨大になった物を
後から次々に突き立てていった
「おお、日本人女は最高だ」
ステファノスは天井を見ながら激しく腰を動かした
~~~~~~~~
亮が小妹と一緒に歩いていると
すれ違いざまに亮の顔をジロジロ見る人がいた
亮は慌ててサングラスをかけて周りを見渡した。
「小妹まずい事になった」
「うん」
亮は五番街のビルに入ると千沙子が入ってきて
いきなり怒り出した
「どうしたの?連絡もよこさないで」
「はい?」
「昨日私達が行ったお店の前で乱射事件があったでしょう」
千沙子は亮が事件に巻き込まれていた事を知らず
亮が小妹の顔を見ると小妹は舌を出した
「すみません、ちょっと忙しかったから」
「もう、お父さんと話をしたわ」
「どうでした?」
「任せるそうよ。ただ打ち合わせが
したいから早く帰って来いって」
「はい。分かっています」
亮もそろそろ日本に帰りたかった。
亮たちはランド不動産ビルの受付に行き
25階の会議室に案内され席に座っていると
シンディとロイが続けて入ってきた
「亮大丈夫?」
シンディが亮に抱きついた
「はい、まあ」
ロイも続いて亮の肩を叩いた。
「亮、君はヒーローだな」
千沙子はシンディたちの話を聞いて
首をかしげて聞いた
「どうしたの?」
「亮が昨日人命救助をしたんだ。五人だっけ?」
ロイが言うと
みんなが帰るのが一分でも遅かったら
「誰かが死んでいたかも知れないわ」
シンディが顔を曇らせた
「ど、どうして知っているんですか?」
「今朝のニュースでやっていたわ。
昨日のヒーローを探しているそうよ」
「えっ?そんな」
そこへキャシーが入ってくるとすぐに亮に抱きついた
「ヒーローの登場ね」
キャシーは亮が、息が出来ないほど激しく抱きしめ
耳元で囁いた
「素敵よ亮、濡れちゃいそう」
キャシーが笑いながら亮から離れると
弁護士を呼んだ
全員が席に着くと弁護士が入ってきて
契約の話が進んだ。
契約の内容は
アメリカのスタジオDはアメリカ法人で運営し
社長は業界のプロを探し就任させる事にし
スタートはニューヨークマンハッタン店それから
全米8ヶ所を順次オープンさせる事
モデル兼チーフデザイナーにシンディ
その他モデルOBにデザイナーを数人
サブデザイナーに千沙子が着く事に決まった
「亮、あなたにはチーフディレクター
についてもらいたい」
キャシーが言うと全員がうなずいた
「それから、香水はあなたがデザインしてね」
シンディがお気に入りの香水ayeを取り出した
「亮は香水をデザインできるの?」
シンディが驚いて聞くと亮は
「まあ、薬と同じですから」
調香、調薬など何千、何万パターンをわざわざメモに
とって作っていかなくてはならない物だが
亮の異常までな記憶力は、その作業を省く事ができ
他人の十倍以上の速さでその作業を
成し遂げる事が出来るのだった
株は亮とキャシー、シンディ、ロイが25%ずつ持つことになり
「みなさん本当に個人でいいんですか?」
亮が聞くとキャシーが答えた
「当たり前よ、絶対成功するんから個人の方が儲けが大きいじゃない」
キャシーが軽い感じで返事をした
「なるほど、絶対か。ではここで皆さんにお願いがあります」
亮はシンディの方を向いてコンドー○を取り出すと
「実は精力剤と誘淫剤を片面ずつに塗った
コンドームを作りました。
これはとても気持ちのいいもので、
生より安全で快適な商品なのですが、
何よりこれの成分は前立腺肥大の予防になる」
続いてシンディは
「私達でNPOをつくりアフリカに寄付をしたいのです」
「ほほう、それはいい私は協力するよ。くせになりそうだ」
「私もいいわよ。亮が実験してくれるならば」
ロイとキャシーが手を挙げた
弁護士もそっと手を挙げると
みんながそれをじっと見つめていた
「あはは、私もアフリカの救済を考えていまして」
「あはは」
みんなが大声で笑った
「亮、そのコンドー○でまた
DUN製薬の株価が上がるな」
ロイはうれしそうに言うと
「そうですね」
「また、儲けさせてもらうよ」
「本当?儲かるなら私も、ロイ教えてね」
キャシーが両手を胸の前に握って
体を椅子から体を浮かすとロイは笑って返事をした
「OK」
「亮、ブルックの契約書にサインをしてもらうよ」
「えっ?」
「ブルックが亮とマネージメント契約をしたいそうだ」
「僕がマネージメントですか?」
「あはは、実質のマネージメントは
専門家に任せればいい。
グラスボイスの彼女は一生君と
離れられないから、面倒見てやってくれ」
「一生は大げさですよ、僕が治しますよ」
「じゃあ、契約書に追記しようか?治るまでってな」
「あはは、そうしましょう」
そこへ小妹に劉文明から電話があった
「どうだ、亮の調子は?」
「今、仕事の会議中です。仕事は順調と言うかそれ以上
ジャックのスポンサーになる予定の
キャシーがこっちへ付きました」
「相変わらずだな、亮は。ところでニュースを見たぞ」
「テレビに出ちゃって困っているみたいです」
「いや、犯人がまだ見つかって居ないなら、
亮は目撃者として犯人に命を
狙われるかの知れない、しっかり亮を守れよ」
「あっ、そうか」
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