第23話キャシーの策略
「本当ですか?」
ブルックの顔が微笑んだ。
「はい、それで私は彼への投資もやめたわ」
キャシーは携帯電話を手に持って亮に渡した。
「もしもし、ダンです」
「ああ。ミスター・ダン。私はブルックの件から
一切手を引く、だから助けてくれ」
「はい、わかりました」
「頼むぞ、約束だぞ!」
裏の状況のわからない亮はジャックの声は
悲痛な叫びがわからなかった
「ブルック。ジャックが手を引いた」
亮は呆然とブルックに話をした。
「本当?」
「はい、助けてくれって」
亮は何のことか分からずに首を傾げた
ブルックは亮のところへ行って
思い切りハグをした。
亮は小妹が持ってきた椅子に座った。
「シンディ。昨日言っていたデザイナーになる
話は本当?」
キャシーはシンディの顔を見た
「本当です」
シンディがキャシーを真剣な目で見つめた
「スタジオⅮってどんな会社?デザイナーは?」
「姉さん」
亮は千沙子の手を押した。
「あなたが話なさい」
亮は日本のディーワン物産と美宝堂
とスタジオDとブリリアンスショーの関係
昨年の銀座コレクションの話をした
「スタジオⅮデザイナーは?」
「フランス人と私と三人の日本人です」
千沙子が答えた。
「気に入ったわ。アメリカいいえ
ニューヨークに出店しない?」
「そうしたいですね」
キャシーが言うとまだ何者か分からない
キャシーに亮が答えた。
「亮、ダメだよ。あの女」
亮は元からアメリカ進出を考えていて
シンディと話をしていた。
「私に考えがあるわ」
ロイたちがキャシーの方を見ると手を広げた。
「まず、タイムズスクエアの私の
ビルにスタジオⅮを出店させるわ」
「えっ?」
亮の驚く顔を見るとキャシーは笑った
「そして、国内の10ヶ所に出店、
香港、シンガポール、
そしてドバイゆくゆくはパリ、ロンドンにも」
「すごい」
キャシーはシンディにっこりと笑った
「そして、積極的にプロモーションを
進めて映画、TVとタイアップを
していくわ。どう?ミスター・ダン」
「はい、でも」
亮はあまりにも調子のいい話で気の無い返事をした
「あなた私を疑っているんでしょう」
「いいえ、まあ」
亮はキャシーが
莫大な資金をかけてまでも
スタジオDと組む必要があるはずがなく、
キャシーを疑っていた
「大丈夫よ、出店場所はすべて私のビル。
マーケティングリサーチは済んでいるわ」
「すばらしいですね。キャシー」
亮はただ褒める事しかできなかった。
「ただし、条件があるの。
このプロジェクトはあなたがやるのよ。
ミスター・ダン」
「えっ?」
「アメリカのスタジオDはあなたがいるから
シンディがついてくるのよ」
キャシーの言葉にシンディは笑いながらうなずいた
「わかりました、でもタイムズスクエアだと
かなり資金がかかりますが」
「家賃はお店がオープンして2か月後に
払って来ればいいから」
「わかりました、計画書を
書き換える必要があります」
「では書き換えてください」
キャシーが言うと亮はシンディの方を見た。
「一つシンディにお願いがあります」
「何?」
「子供服をデザインして欲しい」
亮は真剣な顔をして言った。
「良いわよ、亮。私も子供が好きだから」
「じゃあ、そちらに関しては明日10時に
うちの会社で弁護士を交えて話し合いましょう、
良いわね」
亮と千沙子、明日香、友子。
そしてシンディはうなずいた
「これで私の話は終わりよ、じゃあみなさん」
「キャシー、ちょっと待ってください。
今夜食事しませんか?」
「あら、仲間に入れていただけるのかしら?」
「はい、食事は心が幸せになります」
亮は微笑みながら話をした。
「わかったわ」
「では今夜8時MIYABIでお待ちしています」
「楽しみにしているわ」
「ドレスコードありませんから」
キャシーは美しい後ろ姿を見せて帰っていった。
シンディと亮がハイタッチをした
「やったな!」
言うと全員が笑いながら拍手をした
「勝手に決めちゃったけど・・・姉さん大丈夫かな?
MIYABI」
「良いわよ。私が予約しておくわ」
~~~~~~
「ああ、もうだめ」
キャシーは外に止まっていた
白いロールスロイスに乗ると
独り言って股間に手をやった
「あんなに女を興奮させる男いないわ、抱かれたい」
~~~~~~
「あなたが言っていたベビー服、正解かもしれない」
「はい、たとえば中国の一人っ子政策で子供へ掛ける
お金が多くなっています」
「日本もそうよ、子供服のブランド商品は過熱しているわ」
「早速、高級子供服のプラン考えるわ」
「はい」
亮は帰ってからの仕事を考えるとドキドキした
「姉さんこれで日本に帰れますね」
「今度はスタジオⅮの仕事がんばって
どの道、DUN製薬のあなたのポジションは無い
んだから」
「どうしたんですか?」
「大原智子さんが係長になったんですよ、
松平亮が死んだから」
明日香が脇から話しかけた
「今度は本名の團亮で生きていきます」
亮は笑いながら智子ががんばっている
様子が目に浮かんだ
「でも、シンディはデザインできるのかしら」
「彼女はニューヨーク大学で
ファッションデザインを専攻していたそうです」
「なるほど、彼女の才能にモデル時代の
体験がプラスされるわけね」
「はい、それはキャシーが見込んだとおりです。
きっと良いデザインをすると思います」
「うん、期待しちゃう」
日本語で話している亮と千沙子の
様子を見てシンディは微笑んでいた。
「亮、さっき文明から電話があったわ」
小妹が話しかけてきた
「何でしょうか?」
「今ニューヨークに来ているそうよ、
それで明日の夜食事をしようって」
「はい、わかりました」
「中断して申し訳なかった。サイモン」
「いいや、新しい投資家が見つかったじゃないか。
仲間にすればビジネスが広がるぞ!」
「そうだな」
「さて、買収候補のレコード会社は
インタースコープレコードのレーベルが8つある
CEOジェイソン・セガールだ。サイモンどうだ?」
「ロイ、私の契約レーベルジュピターは
インタースコープのレーベルなんですけど」
「そうだったのか・・・」
ロイは販売に支障があるか気になっていた。
「インタースコープはCDの販売能力が有ったが
最近のダウンロード販売に少し乗り
遅れている感がある」
「まあ、だから買収できるんだがな」
「そうだな、その分は改善が出来る」
サイモンとロイは握手をして音楽の話し合いは終了した。
「シンディこの後ナチュラルグリルで
打ち合わせがありますが時間は?」
「私は先に弁護士と打ち合わせをするから
3時でいいかしら」
「はい、お願いします」
ロイは亮に声を掛けた。
「さて、亮話がある」
「はい」
「いま、どういう状況だ?」
「薬ですか?」
「いや、君の命を狙う者がいる話だ」
亮はまず一文字の関係を話した。
「しようがない男だな」
「金を使って政治家と裏の世界の人間を
上手く使っている様です」
「わかった我々も対処法を考えよう。出来るだけ協力をする」
「今やっているビジネスは?」
「日本でやっている仕事は基本的に薬を作って
いますが内容は秘密です」
「ああそうか」
「関連ビジネスにヒアルロン酸風呂、
美容枕、シャンプーの販売、
名古屋の不動産関連会社の副社長」
関連ビジネスにヒアルロン酸風呂、
神戸に今ビルを建てています」
「そっちも忙しそうだな」
「アメリカの方はD&Rとナチュラルグリルと
冷凍食品ビジネスか」
「はい、D&Rの試験設備でデータが
出来上がったので
大規模プラント建設で本格的に
販売を開始したいと思います」
「そうか、どれくらいで売れそうだ?」
「1ガロン(4L)5ドルです」
「ガソリンより2ドル高いのか」
「はい、まだまだですけど」
「今の大きさの10倍の製造プラントを作れば
価格が4ドルに下げられます」
「うん」
「それと太陽光発電パネルのモジュール変換率
20%を超える物が出来ています」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます