第28話
今日は週に一度の学食day。
っていうか、学食も食べたいでしょ?なんて言いつつ、母さんがお弁当作るのをサボって透と友弥んちのおばさんと何やら集まってきゃーきゃーやってるらしいと気づいた今日この頃。
学食も美味しいからいいんだけどね。
母さんズ3人で集まって何とかってアイドルグループのDVD観たりしてるらしいって、友弥が言ってた。
いいけどさ、いいんだけどね。
息子のお弁当より、アイドルグループ?
まあ…………いいんだけどね。
何かぼりしょんだよなって透がぼそっと呟いて、ぼりしょんって何だよって、友弥と爆笑した。
「まー、席取っといて。俺と友弥で買ってくる。何にする?」
「唐揚げ!!」
「また?」
「いいじゃん、唐揚げ好きなんだから」
「いつものな?じゃあ、席頼むなー」
「うん、いつものね。席探してくる」
って、返事したのはいいけど。
ちょっと遅くなったせいもあって、空いてる席が見つからない。
うーんってキョロキョロしてたら。
「新井ちゃんこっちこっちー!!」
奥の方で手を振る木戸先輩が、居た。
真鍋先輩ももちろん一緒に居て、何か…………すごく俯きたくなった。
今は…………やだな。
「3つ空いてるからおいでーー」
でも他に空いてる席もないし、断る理由もないし。
僕は手を振り返して、透と友弥にもジェスチャーで伝えた。
席に向かいながら、向かい合って座ってる2人を見る。
ガッチリめでカッコいい真鍋先輩と、小柄でかわいい木戸先輩。
何かさ、変に絵になってて。
絵に、なってて。
「あ、そう言えばさっき、真鍋くんと木戸くん、またいちゃいちゃしてたよ」
「ええー?なになに?」
「木戸くんの口許についてたご飯粒、真鍋くんが笑いながら取ってた」
「なにそれもうーーー。絶対デキてるじゃん、あの2人」
「だよねー。でも悔しいけどお似合いだわ」
「その辺の女子よりかわいいもんね、木戸くんって」
3年生の女の子たちが、そんな会話をしているのがどんぴしゃで聞こえてきて、僕の気持ちはどんどん下がっていく。
真鍋先輩と、木戸先輩は、ただの友だち?
それとも……………。それとも……………?
「新井ちゃん光ちゃんの隣ね」
「あ、はい。あの、ありがとうございます」
隣ねって、言われて、真鍋先輩が椅子を引いてくれて、大丈夫か?って身体も支えてくれて…………。
ただでさえどうしていいか分からない気持ちが、もっともっと分からなくなってくる。
とりあえず。
とりあえず。
僕は笑って……………誤魔化した。
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