家族の仮面が剥がれた時、愛は憎悪に変わる。
- ★★★ Excellent!!!
一筋縄ではいかない家族サスペンスです!
表向きは幸せそうな再婚家庭。その裏で渦巻く、嫉妬と欺瞞の物語。
利恵の視点から始まって、真理子、桃子、久美子、英子と、それぞれの登場人物の内面が次々と暴かれていく構成が凄すぎる。特に利恵の美加への憎悪の描写は背筋がゾクッとするほどリアル。
「玉の輿作戦」なんて言葉も出てきて、大人たちの計算高さも容赦なく描かれている。
美加の死の真相が最後まで謎めいていて、読者をぐいぐい引き込みます。
家族って何だろう、血の繋がりって何だろうって考えさせられる、重厚で読み応えたっぷりの一作。