第40話 幕間

「お疲れ、僕が君を迎えるというのはなかなかレアケースな気がするね」

「ですね、大抵僕が先生を起こしに来るのが常ですし」

「あれは本当に助かっているよ。おそらくなんだけど、これまで使ってきた目覚まし時計と名のつくものの全てに抗体を持っているみたいでさ」

「まあ、起こすのも仕事なので」

「ビジネスライクだなあ。もっと打ち解けてくれたって、いいんだよ?」

「今日は、というかこの先やることが多いもので、余裕と言うか気をぬいてられる暇が、隙間がないんですよね

「誰かさんのせいで」

「ドラマの撮影もこんな感じなのかねぇ」

「僕は素人ですから、簡単に性格を変化させることができないんですよ。助走は必要なんです」

「まあ、でもやることさえやってくれれば、言い回しだとかは一任するから。会話だって指定してしまえば必ず芝居臭さが出てしまうからね、天然のものが一番!魚と一緒さ」

「そうですね。今日は早めに休んでこれ以降に備えます。では」

「うむ。よろしく頼む」

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