第47話 松井の決意
「僕は……、この行く末を納得いくまで見届けたい!」
「松井……!」
隆元は頷いて、牢を開けた。
「父上の元へ参ろう、二人とも」
隆元に促され、二人も元就の元へ移動する。
元就は三人が部屋に入ってくるといつも通りの問いを投げかける。
「待っておったぞ。さてと、皆今日はどうじゃ? 酒を飲むか?」
「いえ、私は結構です、父上」
「今は遠慮しておきます」
「僕も遠慮させていただきましょう……」
「そうか。ならば、餅でも食っていってくれ」
元就は上機嫌で餅を振る舞う。
「悠月、あの……、これは……」
「いつものことだよ。元就様はこういう人だから」
悠月は苦笑いしながら答える。
隆元も元就も餅を片手に話し始めている。
「領民であれ家臣であれ、平等に扱ってくれるからこそ毛利元就公は慕われているんだよ」
「……そっか、悠月はそういうところが凄いって言ってたよね」
「なんだ、覚えててくれたんだ?」
「うん……」
松井の反応はなんだか歯切れが悪い。
「ところで、お主たち」
「はい、どうしました?」
「おかわりはあるのだから、遠慮はいらんぞ」
「ありがとうございます」
悠月と松井は笑って答える。
「……して、松井、と申したか」
「はい。本名は松井
「ならば、ワシらもそれに倣い、松井殿で通させていただこう」
元就は機嫌よくそう言った。
「父上、そろそろ本題に……」
「そうじゃな」
元就は改めて松井に向き直った。
「行く末を見届けたい、と隆元たちに話したそうじゃな」
「はい、叶うのであれば」
「よろしい。ならば、そちらにおる悠月、及び今ここにはおらぬがくるみ殿とともに客人として歓迎いたそう。しかと我らの生きざま、見届けるんじゃぞ」
「ありがとうございます!」
松井は元就たちから受け入れられることとなった。
だが……。
徳寿丸だけは、なかなか寄り付かない。
「どうしてだろう?」
「……自分のしたことを思い出せ」
悠月はなんとか徳寿丸にも松井と親しくなってもらおうと密かに奮闘するのであった……。
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