思い出に残る空が満天の星空であるといい

遠い未来、終わりゆく文明の物語。
遠いようで近い将来、訪れるかもしれない。
音楽は時を超え、一つに紡ぐことで希望となるのかもしれない。

プロローグで、星の荒廃ぶりが淡々と語られている。
書き方が良い。

灰色の星は、私達未来の地球なのだ。
青く輝く地球を自ら穢し、薄汚れた灰色となった星で、生き残った人々がどう暮らしているのかが本作では描かれている。

なぜ古物店にミヤザキのコード譜があったのだろう。
天文学の本の中に挟まっていたので、ミヤザキが生前、古物店になにかと交換したのだろうか。
あるいは、爺ちゃんが交換したのか。
ひょっとすると後者かもしれない。

リュウが奏でようとしている曲を聴いたとき、爺ちゃんは、ミヤザキが戻ってきたと思ったかもしれない。

過去に触れながら、今を生きるリュウが、これまでとこれからに思いを馳せて奏でることで、異なる時が一つとなって希望へと紡がれていくのだろう。