田中君と山川君(弟)~新入生勧誘~
「恭輔、きょーん!」
「どうした、翔悟?」
「さっき先輩に教えてもらったんだけど、今年の新入部員は七人だって」
「陸上部男女合わせて七人? うーん、ちょっと少ないなぁ」
「やっぱり球技系の部活に流れがちだよね、新入生」
「中学に上がると、目新しい部活も多いからな。頑張って勧誘したつもりだったんだけど」
「やっぱり勧誘には、ああいう人材が必要なんだよ!」
「『ああいう』って……ああ、そっか、そうだな!」
「タク兄さんみたいな!」
「健悟兄さんみたいな!」
「え?」
「え?」
「そこでなんでケン兄が出てくるのさ、きょん。必要なのはタク兄さんでしょ」
「翔悟こそ、兄貴なんて要らないだろ。要るのは健悟兄さんだよ」
「タク兄さんみたいに面白い先輩が勧誘してたら、面白そう、この部活入ってみたい、ってなるじゃない」
「健悟兄さんみたいにカッコいい先輩だったら、この先輩カッコイイな、こんな風になりたいな、ってなるだろ」
「ならないよ! ケン兄じゃむしろ、うわぁこの先輩性格悪そう、いびられそう虐められそうパシらされそう、ってなるよ!」
「それこそならないよ! 兄貴があの馬鹿面で勧誘してたら、うわぁ一緒にいたら馬鹿がうつりそうって思うよ!」
「タク兄さぁぁぁん! きょんがまた、タク兄さんをバカにする! タク兄さんと同じ空気を吸ったら、たちまち脳全体にまで馬鹿菌に侵されるって言ってるよぉぉぉ!」
「だからいちいち兄貴に電話するな、って、そこまで言ってなぁぁぁい!」
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