爽やかに挨拶しよう!

「はよーす」

「この山川がぁぁぁっ!」

「はぁ? 朝一番から血相変えてなんだよ、田中」

「近頃の若者ときたら、碌に挨拶もできないのか! まったくもって嘆かわしい!」

「若者? 挨拶? とりあえず、お前はもう若くないのか」

「いや、ピチピチ新鮮お買い得だぞ」

「魚か」

「あのなぁ山川、今週は挨拶週間なんだぞ! それをなんだ、『はよーす』って! いい加減にも程があるだろ!」

「なんだ、そういうことか、分かりやすいな。お前だって普段なら、『おっす』とか『おはざーす』とかだし、一時は外国にかぶれて『Good morningグッモーニン』だの『Bonjourボンジュー』だの『السلام عليكمアッサラーム・アライクム』だのと言ってただろうが」

「……俺、最後のは言った覚え無いよ? 何、今の何語?」

「アラビア語」

「やたら発音いいのがイラっとする。ええい、とにかく! 挨拶は! 両足を揃えて立ち! 両手をまっすぐ体側に付け! 爽やかに大きな声で『おはようございます』!」

「誰に吹き込まれたか知らないが、軍隊みたいな徹底ぶりだな」

「お辞儀の角度は180度! 頭を下げるのに4、上げるのに4のリズムで、ゆっくりと確実に!」

「……もう一回言ってくれるか?」

「お辞儀の角度は180度!(復唱)」

「よし、今すぐお手本見せてくれ」

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