持ち物には名前を書こう!

「たーなーかー、たーくーやー、と」

「田中、教科書積み上げて何をしてるんだ?」

「名前書いてるんだよ、名前。新しい教科書にはすぐ名前、これ大事!」

「あー、偉い偉い。だが高校生にもなって名前をひらがなで書くな」

「勘違いするなよ山川、俺だって自分の名前くらい漢字で書ける! ただ、これだけの数の教科書全部に同じように書くのは飽きるから、バリエーションを豊かにしようと思っただけだ!」

「まあ、漢字で書かないといけないって決まりは無いけどな。俺だってフルネームでは書いてないし」

「へー、山川も名前書くんだな。どうやって書いてるんだ?」

「人に貸したときに分からなくなっても困るし、一応な。俺は学年・組・番号とイニシャルだよ。2-4-35 K・Y」

「……山川ってKYなんだ。『空気読めない』、いや、むしろ『狂おしいほどヤな男』、略してK・Y」

「なんだと、『とんだトンチキ』、略してT・T」

「それはともかく、イニシャルはラクでいいな! 俺、いろんなパターンで書いてみたけど、その発想は無かったわ」

「いろんなパターンって言ったって、ひらがな・カタカナ・漢字にアルファベット、くらいしか無いだろ」

「『アナタの田中卓也☆』とか」

「無駄に長いしウザいな」

「『地球ほしの王子様TANAKA』とか」

「おこがましいぞ、頓痴気様」

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