第10話 重版出来と、エルフの涙
騒動が落ち着いた頃、俺の新作『風呂場にエルフが湧いた件』は、ネットで爆発的な人気を博し、ついに書籍化が決定した。
「重版よ、黒白君! 発売前重版よ!」
葵が興奮して部室に駆け込んでくる。
「真白さんの食費も、琥珀さんのプロテイン代も、全部印税で賄えるわ」
「やったわ旦那様! 私、この世界に骨を埋める覚悟ができたわ!」
真白が俺に抱きついてくる。だが、その時。俺のノートPCの画面に、不穏な文字が浮かんだ。
『──物語が完結した時、異世界の住人は元の場所へ強制送還される』
「え……?」
俺の指が止まる。真白の体が、少しずつ透け始めていた。
「旦那様? どうしたの」
「マシロ……お前、消えそうになってるぞ」
「……ああ、これね。ハッピーエンドの代償かしら。物語が終わっちゃうと、設定が消えちゃうのかもね」
琥珀が真白の手を掴もうとするが、その手は虚空をすり抜けた。
「嫌よ! 仲良くなったばっかりなのに!」
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