錬金術列車 大爆走!

第1話 錬金術列車 大爆走!

 俺様が乗車した錬金術列車アルケミートレインが大爆走を始めた!

 列車の暴走は車内への侵入者が引き起こした。

 

 この列車に俺様が乗車した理由を後述しておこう。


 〜近所の商店街福引きで列車旅行グルメツアーが当たった。

 

 しかしただならぬ怪しい雰囲気があったので金券ショップに持って行くと、商店街のおやじたちに、それを換金するなんてとんでもない!と拒否された。

 チケットが当たったのは運ではなく、毎度まいどの仕組まれた旅行に違いなかった。〜

 

 というのがこの列車に乗車した話のあらまし。


 列車は加速を続け、乗客が悲鳴を上げていた。

 俺様1人転移魔法を使い逃げ出すことも出来るが、列車の暴走を止めて乗客を助けてやり、報酬のひとつでも手に入れてやろうと考え、侵入者を排除しようと、俺様は平衡感覚の魔法を使い動き出した。


「ちょっとゲイズ、どこに行くのよ。アタシの酒の相手にならないって言うの?」

 同室のルーシャが俺様の服のすそをわしづかんで悪態をつく。


「キサマ何を言っている。列車が暴走しているのだぞ?窓から外を見てみるがいい。列車に侵入者が飛び乗って来ている様子が見えるだろう」


「デスゲイズさん!侵入者だ!もしかしたら列車の暴走はあいつらの仕業かもしれないよ!」


 隣の客室からアムリタとマリンとエア、ついでにグレイザークが合流した。


「フッ オレは彼女たちと共に侵入者を排除しよう。ルーシャのおりはグレイザーク。お前にまかせたぞ」

「いやだ。キサマがコイツのお守りをしろ! フッ 任せたぞ。さあアムリタさんいっしょに車内後部に行きましょう」

「デスゲイズ。あなたに任せたわよ!」

「まて!マリン!ルーシャのお守りは」


 ドカーン!!


 後部から爆発音がとどろいた。

 続いて銃声。


 車両後部方向から毛皮のコートの女が銃を手にして何かから逃げる様に走ってきた。


「あなたたち!そこをどいて!」


 女は銃を乱射しながら我々に突き進んで来る。


「風の結界!」


 エアが風の魔法を使い銃撃をさえぎった。

 銃弾は一発もかすらずその辺を飛び交う。

 アムリタが逃げて来る女の盾になる様に移動し、侵入者に備えた。

 

 後部方向から聞き覚えのあるガーハッハッハという笑い声が聞こえてきたので、俺様は心底逃げ出したかったが「報酬。報酬」と自身に言い聞かせて、が来るのを待った。


 暴走列車はギラ帝国領の砦前をギュンギュン通過した。

 

 そしてヤツは金属を擦り合わせる様な音を立てながら俺様たちの前に現れた。

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