第2話 激戦!ヴィグネイラー
客の悲鳴の合間に大きな笑い声がこだまする。
その姿をとらえた瞬間、俺様はすぐさま魔法の詠唱を開始した。
ルーシャは酔っ払っているため、フガフガ独り言をつぶやいている。
グレイザークは剣を抜いて気を練り始めた。
アムリタはマリン、エアと共に魔法騎士の鎧姿にコスチュームチェンジし、剣を抜き放った。
俺様の結界魔法でヤツを包み込む。ヤツが動きを封じられている間に、ブラックリザード団が前に出てきた。その中でも一匹はかなりの大型のトカゲ人で、ヤツの代わりに他のトカゲ人に指令を出していた。
トカゲ人が槍を構え飛びかかって来た!
先手をトカゲ人に取られたが、エアが揺れる列車にも関わらず、飛びかかってきたトカゲ人を矢で射抜き地に這いつくばらせた。
マリンが水流の魔法を発動させ、地に落ちたトカゲ人を廊下の向こうへ押しやる。
アムリタは大剣を構え、大型のトカゲ人目掛け飛翔し刃を突き刺した。
…俺様やることないじゃんか。任せればいいか。
しかし列車の振動に動きを合わせた大型のトカゲ人が、槍でアムリタの刃を防ぎ、アムリタの顔をつかみ取ろうとした!
だが!アム公には
そして気を練り終わったグレイザークからの気合い刃の波が、剣から放たれ、大型に向かって飛び、大型のトカゲ人の槍を持つ左腕に命中し、腕は弾けとんだ。
「やったじゃないか!グレイザーク!」
「さすがですわグレイザークさま」
「やるわねあなた。みなおしたわ」
「なかなかやるではないか…ほめてとらそう」
「おまえのほめ言葉だけはいらない! フッ アムリタさんありがとう」
グレイザークを仲間たちが賞賛する中、大型のトカゲ人が左腕の激痛から大暴れを始めていた。
更にヤツの笑い声が響き始めた。
俺様の結界をぶち破りながらヤツが俺様たちの前に突撃し、現れた!
「デスゲ〜イズ。久しぶりだなあ。ワシは地獄の底から蘇ってきたぞ!」
「はて?どこのだれだったかな?俺様はへそで茶をわかすぐらい忙しいのだ。キサマなぞ知らぬわ!」
「おまえが忘れてもこのヴィグネイラーは覚えている…だが今はおまえたちはどうでもいい。追わなければならん女がいるからなぁ!ふんぬ!」
俺様はこの珍客に対して飽き飽きしていた。コイツことヴィグネイラーは過去に何度も戦ってきた腐れ縁だ。
コイツはわかのわからんパワーアップを繰り返し、ハゲたり、尻尾が生えたり、火を吐いたり、人間であることを捨てた、たちの悪いオッサンだ。
コイツがアムリタに火を吐いたが当然アム公には何も効かない。更に尻尾でマリンとエアを薙ぎ払おうとしたが、マリンもエアも魔法騎士モードなので微動だにしない。
めちゃくちゃ強かったコイツが今ではよぼよぼのただのオッサンに…。
しかしコイツは奥の手を出してきた。
「パワーアップスタイル!メーイクアップ!!」
コイツの筋肉が盛り上がり、周囲の魔力を著しく低下させてゆく。アムリタの因果律防御も効果を失い、皆がつけている魔法の防具もただの板キレ同然になった。
「ガハハ!なぶり者にしてやるぞ!おまえたち!」
この野郎かったりーな…こちらも奥の手を使うか…だがまだ早い。
俺様は大魔王の姿に戻るタイミングを伺い始めた。
ヴィグネイラーのカギ
更に、前に移動したグレイザークが突き出した剣を尻尾で絡めとり、尻尾から放たれた無数の針がアムリタ、マリン、エア、グレイザークを貫いてゆく!
仲間の悲鳴が振動し暴走を続ける列車に響き渡り戦線はいとも簡単に崩壊した。
「ガハハ!どうだワシのメイクアップは!デスゲ〜イズ。次はおまえの番だ」
「それはどうかな?キサマは逃げるタイミングを逸した事がわからんとみえる」
仲間は皆気を失い倒れている。この車両に俺様の姿を見ている者はいない…!
「デスゲイズ!今回はおまえが死ぬときだ!」
「ふははははははははははははははははははははは!ヴィグネイラーよ!俺様の姿をみるがいい!」
瞬時に周囲に魔力が
周囲は黄金のオーラが輝き、フレッシュなシトラスの香りが漂う。
列車の床から無数の悪魔が
「さあ…魔界のショーの始まりだ…フフフ…フハハハハ…ハーッハッハッハッ!!」
俺様はコイツと戦うため大魔王変身をした!
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