第2話 Give and take
人の姿をした暗黒が言った。
「つまり、いわゆる異世界転移者に異世界転生者、そして、そいつらにばら撒いたスキルを回収して欲しいんだ」
獣の姿をした暗黒が言った。
「な◯う系ってやつだよ。ちょっと流行ったもんだから手を出してみたんだが、素人が考え無しにやるもんじゃあないね」
鳥の姿をした暗黒が言った。
「手っ取り早く物語を掻き混ぜるのに良いかと思ったんだけど、どいつもこいつもざまぁだの俺TUeeeだの異世界ハーレムだの碌なもんじゃない」
魚の姿をした暗黒が言った。
「で、奴等とスキルを回収って言うか収穫する事にしたんだけど、如何せんそっちに人材を投入したから選抜する面子がわりと不作でね」
虫の姿をした暗黒が言った。
「正直頭を抱えてたんだが、そこで見付けたのが君だよ!いやーまさに百年にひとりの逸材!」
草の姿をした暗黒が言った。
「という事で、君にも選抜戦に参加して欲しいんだよ。選抜戦自体はもう始まっちゃあいるがそこはそれ、主催者権限でねじ込むさ」
木の姿をした暗黒が言った。
「勿論、ただ働きはさせないしバックアップもするよ。当面の報酬として、君の人生で一番の後悔を取り戻させてあげよう」
蛇の姿をした暗黒が言った。
「本当は戦いたかったんだろう?言い訳せず、逃げずに、最後まで」
林檎の姿をした暗黒が言った。
「今度は最後まで戦えば良い。負けなければ、望むなら世界の終わりを見届けるまで戦えるよ?」
罪の姿をした暗黒が言った。
「いやあ、決まりだね。君が嬉しそうで私も嬉しいよ。それじゃちょっと記憶は弄るけど、君が身に付けた戦闘技術とそれに関する知識は残して、更に必要なスキルを幾つか付与してあげよう」
「選抜戦の会場は、君の世界とほんのちょっとだけ違う、言わば隣りの世界だ。そこで選抜戦を勝ち抜き、腕を磨いて正式な収穫者になってくれ給えよ」
そして、スキルについて説明をした後、人とも獣とも鳥とも魚とも虫とも草とも木とも蛇とも林檎とも罪とも機械ともつかぬ
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