たちが悪い
(……また)
毎日、少しずつ。だけれど、確実に。
お部屋に掃除をしにくるたび、減っている。
(物の配置は変わらない。空いた棚もない)
それでも、部屋が徐々に『からっぽ』になっていくような、奇妙な感覚。
この感覚を味わわされるときは、近々とても長く部屋を空ける、という報せだ。
ひと月か、半年か、数年か。いつ帰るか、知らされることはない。
(あの方は、こちらが気付くことを承知した上で行動されるから、たちが悪い)
いつも、いつだって、フラフラと勝手に居なくなるくせに。
己が二度と戻らない『先』があるときだけは、暗に知らせようとする。
「ほんとうに、たちが悪い」
雑記帳 四京 歪樹 / シキョウ ヒズキ @st_mo
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