第4話
私は震えを必死に隠して、笑顔を作った。
「ちょっと、ジェットコースターの坂道に似てたから……」
「1998年~1998年~。2000年~。そして、現在~今そこに~~。大型トラックで~~。事故死する家族が~~。タイヤが溝に~~。」
そこで、私は叫んだ。
「お父さん! 脇を走り過ぎよ!」
「おっとっと!」
車のタイヤは濡れた道路の端擦れ擦れだったのだ。
このままでは髑髏の言う通りに雨で滑って溝にタイヤが落ちてしまう。
「今のは取り消し~~。事故死はなし~~」
髑髏の声を聞くと同時に。
一瞬の出来事だった。
対向車線を大幅に脱した大型トラックが水飛沫を上げながら猛スピードでこちらに突っ込んできた。
お父さんはハンドルを力いっぱい握り、速度を落とした。
対向車はそのまま何事もなかったように通り過ぎる。
「いやあ、危なかったね。溝にタイヤを取られていたらぶつかって大事故を起こしていたよ。利絵ありがとうね」
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