概要
西暦2098年、地球は色づいていた。熟し、腐り落ちる寸前の果実のように。
果実の表層では小蠅や蛆が死にかけながらも、明日の希望を信じて――「色」と戦い続けていた。
そんな歴史は突如終わりを告げる。
豊穣の到来によって……
【第一部】
人類文明の滅びより約200年後。
幾つかの文明が再興の兆しを見せる中、日本列島では「超人(ちょうじん)」と「械人(かいじん)」の陣営に分かれ、内戦が続いていた。
「色」の脅威と対峙しながら、協力することなく。
が、その内戦も終わりつつある……超人の負けによって……
とある奇妙な出自故、周囲から疎まれ続けている少年・ヒロシは彼の主の命を受け、大陸沿岸部の国、翠玉国へと赴く。自国への難民
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!~ ラジオ・K氏のすべてが注ぎ込まれた大伽藍 ~
これが、あらゆる短編・エッセイ・旅行記・習作の根っこにあった作品だ。まえがきを読んで、まず圧倒される。「無職になることが決定し人生に絶望していた8月26日」に、あるブログの言葉に従ってペンを取り、この作品が生まれたという告白と、もう永遠に会話できなくなった友人への感謝。この一作が、ラジオ・K氏にとっていかに切実な意味を持つかが伝わってくる。
内容は、2298年の地球が舞台のクトゥルフ×SF×戦記。「色」という名の異形的脅威と、超人・械人の内戦が絡み合う世界観は229話を経てなお広がり続けており、軍事・言語学・生物学・神話の知識が混ざり合う密度は既存のレビュアーたちも口を揃えて「緻密な混沌」…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あらゆる方法で読者を楽しませてくれる
ストーリーや設定の緻密さや背景知識の量、戦闘モノとしての面白さなどは恐らく他の方が指摘されていますし、そうしたものに疎い私には細かく語れないのですが、私が何より感服させられたのは演出の多彩さです。文字を文章だけではなく「絵」として使って情景を「描写」したり、中盤からは読書中のBGMを指定したりと、普通の小説の枠にとどまらない総合的な「芸術」を志向されているな、と思います。キャラクターの数、ストーリーの複雑さなど、情報量がとにかく多い作品ですが、私みたいに覚えられない人でも、不思議と主な流れはわかりますし、何よりも「その場」の臨場感を楽しめるようになっています。
なお、本作は戦争ものですが、弱…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死せるクトゥルー《カクヨム》にて夢見るままに待ちいたり
クトゥルフ神話を題材にした小説は数えきれないほどにあれども、これほどまでに重厚な小説を私は呼んだことがありません。
これは2298年、地球が"滅び"に見舞われた後の話ということもあって、各国の状況は大幅に変化していますが、紛うことなき人類の戦いの記録です。
人類に襲いかかる不条理なる神――……
三つの頭を持ち、下半身から十字架の生えた異形の天使。
艦隊を観察する蟲。蟲。蟲。
黙示録の竜。
絶望し、諦観し、それでもなお、生き残るために"滅び"に立ちむかう人類!!
まさに混沌、不条理。それでいて、その基礎にある設定は入念な情報収集をもとに緻密に組みあげられたものです。言語学、地理学、神話から軍事…続きを読む - ★ Good!極彩色の終末世界で異形生命体が跋扈する──奇想天外なクトゥルフワールド
第1章冒頭までを読了した時点での感想です。
世界観、ストーリー、文章構成、ルビの振り方などなど、何処から見ても混沌とした作者の味──独創性が垣間見えるところが良いです。原則がない、だからこそ、予測不可能であると。第一印象としてはテ〇フォー〇ーズが思い浮かんだので、相対する怪物もGとして脳内変換されてしまったのは僕だけでしょうかね。
一方で、読者を選ぶ作品であるというのもまた確かなようです。時系列を複雑に前後させていたり、難読漢字・難解表現もふんだんに使われていたりなど。難なく理解できる方々にとっては、むしろこの点は作品の個性として受け止められるので、一概に悪いという訳ではないですね。
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