逃げる後輩のシバき方(7)
「い、いいいいいえ今日はバイトがこの後にありますのののでで」
「ひ・ま・か・し・ら・?」
…………逃・げ・場・な・し。
それどころか、部長様は今までにないくらいめちゃくちゃに怒ってらっしゃる。俺が一体何をしたって言うんだ。
そもそも俺が部活に行かなくなったのだって、元を正せば部長の所為だ。あまりにも危険すぎる案件まで部内に持ち込んでくるから、身の危険を感じて部活から距離を取ったってのに、それが分かってないのか? このすっとこどっこい。
「……君が部活に来なくなったのは私の所為? そしてすっとこどっこい? 君は私にそう言いたいのね?」
「私ね、これでも人の心を読むことが得意なのよ。人を信用するためにはこれが一番手っ取り早いから」
いやいやいやいや、それはもう得意とかの次元じゃない。明らかにエスパーの類だろ
「いやいやいやいや、それはもう得意とかの次元じゃない。明らかにエスパーの類だろ……ね?」
それ見たことか! それは人間のやっていいことじゃないんだって! もう生徒会長なんて辞めて別の方法で金稼いだ方が絶対いいって!
シャーマンラビットとか流行るよ多分!
それに、このまま部長と話していたって一向に状況は好転しない。むしろ間違いなく悪い方へと転落していく未来が見える。やむなし、かくなる上は……
「…………(スッ)」
俺はその場に無言で立ち上がった。
「……? どうやら観念したってことでいいのかしら?」
俺が立ち上がると、158cmの部長は自然と俺を見上げる形になる。そして部長と目が合うよりも先に、俺は作戦を即実行に移した。
「部長すみませんやっぱり俺は部活には戻りまs」
「ちょ、待ちなさい!」
言い終わるが早いか、俺は最大限の力を振り絞って全力の逃走劇を開始する。
徒競走学年トップレベルの部長と言えど、流石に不意打ちには敵うまい。そう、これが俺の作戦。『
あまりに短絡的過ぎて、これを作戦と呼んでいいのかどうか自分でも疑わしくなってきたが、今はそんなの気にしないぜ!
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