第29話微かな期待
いつも通り仕事を終えた私は、返事が返ってこないことをわかっていながらも、一応言ってみる。
「ただいまー」
やっぱり返事は帰ってこない。
それもそのはず、この世界は一日中明るくてわからないが、地球の時間では深夜2時ぐらいだろう。
この世界の住民も眠たくなる時間は人間とそう変わらない。
故に、夜の方が強いロティでさえも、この時間はお休みモード。
玄関で靴を脱いだ私は、自分の部屋へは行かずにリビングへと向かう。
先に自分の部屋へと行ってしまうと、何もしたくなくなってしまう。
だから、先に私はリビングでロティが作ってくれている料理を食べる。
料理を食べ終えると、そのままお風呂に入る。
私は毎日これを繰り返す生活を送っている。正直退屈だ。
私の生活には彩がない。
仕事で会う人間も自己欲求の塊のような人が多い。死んでいるにもかかわらず、何故あんなにも願いが多いのだろうか?
私には到底理解できる話ではない。
そんな、退屈すぎる日常を送る私の前に現れたのが凪だった。
凪は、今まであってきた人間とは全然違う。私だって引くぐらいに。
でも、私は凪に何か可能性を感じてしまった。彼なら私の白黒の人生を彩ってくれるのではないかと。
そして、あわよくばこの世界の住民の人間への印象を変えられるかもしれない。
「…凪だと逆効果な気がする」
兎に角、本人には決して言わないが、私は凪にかなりの期待をしている。
そんな、明日を楽しみに今日を生きる私は、まだ決まっていなかった凪とマークの対決内容を考える。
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