第27話疲労

 ドアを開けると、玄関でロティが2人を出迎えるように立っている。


 「おかえりなさいませ。セレーネ様、お荷物をお預かりいたします」

 「ありがと」


 セレーネは荷物をロティに渡し、自室に向かう。

 ロティもセレーネについていくように歩き出す。

 1人玄関で取り残された凪は、靴を脱ぎ、自室へと向かう。

 学園にいた時から1人ロスだった凪。

 やっと1人に慣れてテンションがおかしくなっている凪、玄関から自室までスキップして移動する。

 自室に入っても凪のテンションは変わらない。

 その姿はまるで1人暮らし初日の大学生のようだ。

 今ならなんだってできる気がする。しかし、気がするだけだった。

 凪がベットに横たわると、今日の疲れが途端に現る。

 体を動かそうとしても重い。

 

 「…ロティ」

 「お呼びしましたか凪様?」


 凪に呼ばれるのが分かっていたかのような速度でやって来るロティ。


 「助けて…疲れすぎて体が動かない」

 ロティの前で生まれたての小鹿のように体を震わしている凪。

 今まで人と関わってこなかった凪だが、ロティとは割といい関係を気付けている。

 ロティはうつ伏せに寝そべっている凪の元へと近づき、凪のふくらはぎの上に手を乗せる。そして、力加減をしながら揉む。そう、マッサージだ。

 凪は程よい気持ちよさに包まれる。そのまま、暗闇に落ちるように眠りにつく凪。

 凪が眠りについても、しばらくマッサージを続けるロティ。自分の気が済むまで揉み続ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る