第24話挑戦状(1)

 校内に最後のチャイムが鳴り響き、セレーネは退屈そうな様子で教室の後ろで立っている凪へと近づく。

 徐々にセレーネが凪の方へと距離を詰めていくが、凪は未だ考え事していてセレーネに全く気づいていなかった。

 考え事をしている凪に声をかけようとするセレーネ。

 しかし、セレーネが口を開いた瞬間、横から誰かが凪に向かって話しかける。


 「いや、先生には感激したよ。君を教室の隅でずっと立たせておくなんて」


 声の主は明らかに凪のことを見下しているマークだった。

 朝の件と言い、いちいち必要のない戯言を吐くマークに少し苛立ちを覚えるセレーネ。

 何か言い返そうか悩むセレーネだが、それでは相手の思う壺になると思い留まる。

 マークが教室に響くほどの声量で喋っているため、教室に残っている生徒も3人の方を見ながら話を聞いている。


 「わかったかい人間君?これがこの世界のルールなんだよ…よく覚えておくんだね」


 ずっと黙っている凪を見て高らかに笑うマーク。

 それに合わせて、教室に残っている生徒もクスクスと小さく笑っている。

 その笑い声で凪の自分の世界へと入っていた意識は現実へと戻る。

 下を向いていた顔を上げると、自分の周りにセレーネとマークがいて少し驚く凪。

 凪は目の前に立っているセレーネに話しかける。


 「あれ?もう授業終わったの?」

 「え?あ、ええ。終わったわよ」


 てっきりマークに何か言い返すのではないかと思っていたセレーネ、さっきまでの苛立ちは消え、凪の予想外の発言に困惑する。

 凪がマークに気づいていないわけではなく、ただマークに話しかける理由がないだけだ。


 「そっか…じゃあ帰ろう」


 近くにいるマークを気にすることもなく、凪は教室から出ようとする。

 凪について行くように、絶賛無視されているマークを横目で見ながら歩き出す。

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