第13話気まずい空間
ロティとの会話がいったん終わり、しばらくの間、凪は無言で昼食を食べ続けていた。
ロティは凪が話しかけなければ口を開かず、ただ凪が食べているところを見ているだけだった。しかし、自分から話しかけなければ会話をしなくてもいいというこの状況は凪にとっては都合がよかった。だが、そんな都合のいい時間が長く続くわけもなく、気づけば皿に盛られていた昼食がすべてなくなっていた。
「食べ終わりましたか?」
「あ…うん。美味しかったよ」
「それはよかったです」
淡々とそう言ったロティは凪が食べ終わった皿を下げ、台所の方へと歩いていき、またすぐ凪の元へと戻ってきた。そして、ゆっくりと凪の正面の椅子へと座った。
「それでは、セレーネ様が帰ってこられる前にあある程度のことは説明しようと思いますが、何かお聞きしたいことはございますか?」
「えっと…まず俺は何をしたらいいの?」
凪の性格を更正させるために天界へと連れてきたセレーネだったが、天界に来てからは色々なことがあったことで、凪は自分が何をするのかセレーネから聞かされていなかった。
「そのことなのですが…私もまだセレーネ様から何も聞かされてないんです」
「そうなの?」
「はい。ですので私が凪様に教えられることはこの世界のことだけになります。申し訳ありません」
「別に謝らなくてもいいよ。そうだな…じゃあこの世界のこと教えてもらってもいい?」
「はい。お任せください」
そう言ったロティの表情はまた明るくなったような気がした凪だった。そして、ここからセレーネが用事を済ませ帰ってくるまで凪は、永遠とこの世界の歴史や文化などについてロティに説明された。
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