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朝食の支度が終わる頃にちょうどましろが帰ってきた

テーブルに食事をならべ


「おかえり。食べようか、お腹すいた」


と、ましろに声をかけた


「え?僕のもあるの?」


「もちろん」


「やったー」


二人で朝食か昼飯か微妙な時間の食事を済まし

ましろの買ってきた服を適当に選んで着てみたが

女裝しているようで変な感じなので

その上から着慣れたパーカーを羽織った


「サイズはどうだい?」


「ぴったり、よくサイズわかったね」


ましろの買ってきた服はびっくりするほどぴったりのサイズだった


「…なんとなくさ」


「そうなんだ」


俺はいや、私はこのとき忘れてたのだ

少女ではなく魔法使いになってしまったことを

そして、魔物と戦うということを…



遅めの朝食の後眠っていたらしい

つけっぱなしのテレビには夕方のニュースが流れていた


《早朝に起きたトラック暴走事件についてです

犯人の足取りは未だ掴めず……》


そんなことがあったのかとぼんやり眺めていると

映し出された光景には見覚えがあった

私とましろが出合って魔物と戦った場所、

それまで、ぼんやりしていたものが急に現実なんだと実感させた

横に目をやるとましろは眠っていて

夕日を浴びて気持ちよさそうにしている

いつ猫に戻ったんだろうと思いながら

一息ついたその時、急に世界が逆さまになるような感覚に襲われた


「えっ、なに?世界が暗い?」

私は外の様子を見ようと慌ててベランダに出た


「優里、魔物だ。目を閉じて、魔力の中心を感じられるかい?」

言われた通りにしてみると目では見えない距離だが少し先に中心点ぽいものを感じた

これが魔力の中心なのだろう


「なんとなくあそこだと思う」


「いい感じだね。そしたら、昨日の魔法を使ってた姿を想像して」


「うん」


「思い切って叫んじゃおう」


「イグニッション!」

全身が光に包まれ昨日の衣装を身に纏う

小っ恥ずかしいはずなのに気持ちの高揚確かに感じなんとも言えない気持ちになる



「変身できたね。そしたら、空を飛ぶイメージをしてみて」


言われた通りイメージすると頭に呪文が浮かび身体がフワリと浮かび上がる


「やっぱり、君才能あるよ」

気づいたら人の姿になったましろが隣に浮かんできた


「そうしたら中心へ行こうか」


「わかった」

言われた通りましろと向かった


***


「あれが魔獣、大型だけど魔素が薄いから昨日より楽に倒せると思うよ」


「毒々しいね」

紫色のスライムを大きくしたような姿に思わず口にしてしまった


「魔物の種類についてはまた話すよ、

倒した感覚覚えてる?」

ましろ気にする様子もない


「なんとなく…」


「いいね、まだこっちに気づいてないみたい。砲撃してみようか」


「えーっとこうかな?」

飛び始めた時と同じように頭に呪文が浮かびあがる


「スターバースト」

前に突き出した杖から放射線状にビームのようなものが飛び出し魔物に直撃した

魔物が粒子状になり消えていく


「サポートは必要無かったね」


「えっ?これだけ?」

なんだか、呆気ない気持ちになる


「うん。まだ、色々練習が必要だけど今日のところは上出来。戻ろうか」

満面の笑みましろが言うから嬉しくなった


***


「魔物の種類についてだけど、さっき戦ったのが魔素が集まって自然発生した物。昨日のが人や動物の感情に溜まった魔素が反応したものだよ」


「見た目の違いは?」


自然発生したものは実体が出来にくいのか例えるならスライムやそれに手足あるもの、

感情に反応したものは影響されたものを型どる傾向にあるらしい

後者の方が魔素が濃くなりやすいく手強い

魔素と言うのが魔物として生み出すのだが

どのくらいで魔物になるかは分からず

どこから魔素が湧くかも例外もあるが原因の究明には至っていない

周囲の魔素の濃さが危険度の判断基準になる

そしてもう1つ生まれる方法があり

これは、人為的なもの悪用する者がいて事件性があったり過去の遺物の変異体だそうだ

これだけは特級と呼ばれ危険性があると教えてくれた


「長くなったけどこんなところかな」


「難しいね」


「初めはそうだよね」


ましろは私に合わせて少しずつ教えてくれる

こんな生活も悪くないのかもしれないと思っていた時だった

《ピリリ…》

スマホが鳴った画面を見ると親友の大地だった

「ましろ、私って別人ってことになるの?」

テンパって変な事を口走る


「別人じゃないよ、その体になった時にある程度整合性は取れるようになってるはずだよ」


「そっかよかったー」

中々のご都合主義だと思うが今回ばかりは感謝しながら電話を取る


「もしもし?」


『優里か?明日なんだけど遊びに行かないか?』


ましろの方に視線を向けるとコクっと頷く

行っても大丈夫という事だろう


「いいよ、愛も誘って3人で行こう」


『いや、明日は2人がいいな』


「ふぇっ?」

(はぁ?)






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魔法少女ゆうり 白兎 @mikan_7

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