第5話 とりあえず休憩



「会社でバリバリ働いている」


「温かく出迎えてくれた妻の姿は今はもうない」


「帰るなり飛びついてきた子供の姿もどこにもない」


 とりあえず 休憩したい

 このまま歩くと疲れそうだから


 とりあえず どこかに座りたい

 このまま歩くと体壊しそうだから


 とりあえず 立ち止まりたい

 進み続けるのはきついから


 とりあえず 振り返ってもみたい

 背後にあるものが大切なものかもしれないから


 とりあえず 頭からっぽにしてみたい

 気分が楽になるかもしれないから


 とりあえず 背負ったものを下ろしてみたい

 何か見えてくるものがあるかもしれないから


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