第123話 11月5日 土曜日10
「九条さん?」
声をかけられた俺が振り返ると、食べ物をたくさん持った九条さんが立っていた。
「やっほー、楠君も楽しんでるねー。って1人で?」
「今の俺の様子から楽しんでいるという言葉が出るのは不思議な気がするんだが――」
今の俺の姿を見てこの状況を楽しんでいると判断したのなら――九条さんは別世界を見ているのだろう。って、にしてもたくさんの食べ物を持っている。
「いやいや、わかってるよ。あれでしょ?大学祭で――かわいい女の子探し的な?そして全員に振られた」
あははっと笑う九条さんって――ここお酒の販売禁止?そもそも飲酒も禁止だよね?ここに酔っ払い――いや、見た感じは全く酔ったようには見えないが。適当なことを言っているテンション高めの人が居るのだが――どうしたらいいのか。
「――全く違いますね」
呆れつつも俺はとりあえず返事をしておいた。
「ってか、楠君これバランスやばいからちょっと持って」
「えっ?あっ、うん」
すると、九条さんがそんなことを言ってきいたので、俺は言われるがまま九条さんの片手から――たこ焼き×2を受け取った。って、マジでどんだけ食うのだろうか?九条さんもう片方の手にはクレープ3つも持ってるし――いやいや、えっ?まさかね。一緒に来た人みんなの食べ物を持ってるんですよね?
「あっ、楠君あそこのテーブル確保しに行くよ」
「ちょ。俺も?」
「ほらほら」
すると九条さんが移動を開始する。目的地は――少し離れたところのテーブルらしい。4人くらい座れる正方形のテーブルだ。そして、ちょうど今まで使っていた人が席を立った――という場面だった。今なら空いている。九条さんそれを逃さずにゲットに向かう。
って、早々に放置。見捨てられたような俺は――ちょっとした荷物持ちとして九条さんの後を追いかけたのだった。
「確保ー。ちょうど空いてよかったー」
そしてすでに席に座りそんなことを言っていた九条さんの前に渡されたたこ焼き×2を置いたのだった。
「あっ、楠君もたこ焼き食べる?」
そういいながらたこ焼きを出しつつ九条さんが聞いてくる。ちなみにできたてらしくまだ鰹節が踊っている。って、俺食べたばかりなので――。
「いや、俺さっき食べたんで大丈夫です」
「あっ。やっぱり1人で回って女の子探し――小倉君と同じことしてるんだ。じゃあ一緒に回る?」
だから何故にそうなる。ってか、旺駆里と一緒にしないでいただきたい。マジでしないでほしい。
「ちょっと待とうか。旺駆里と一緒にしないでくれる?って、同じようなことってことは――あいつ何してるわけ?」
九条さんの話から、この会場で旺駆里が既に何かしているのはわかった。まあそもそも居ることも予想していたし。何かやらかしてるのも予想していたが。とりあえず聞いて見いると――。
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