第121話 11月5日 土曜日8

 人込みを避けて少しい移動してきた俺と胡乃葉。

 今居るところは主に食べ物とか。参加型のイベント。スポーツが多め。なんだろう。夏祭りとかの会場に近いというか――あれ?大学祭って祭りだっけ?だから――これでいいのか。祭りだな


「胡乃葉?」

「――」


 明後日の方向を見ている胡乃葉。いやいやどんどんご機嫌斜めになってないか?


「今度は無視か」

「あっ。いえ――違います――その……ごめんなさいです」

「えっ?」


 あれ?先ほどまでは突然ご機嫌斜めの胡乃葉だったのに、急にわたわたして、今度は急に謝られた。


「その――ちょっと意地悪だったと言いますか――気にしないでください」

「気にしないでください――って」


 胡乃葉が何故ご機嫌斜めだったかマジでわからないのだが――あれ?もしかして――胡乃葉の友人。名前わからない――あの女性のことを話したあたりだから――それで?いや――まさか。


「先輩は――悪くないです。はい。私が――ですから。えっと――お祭り楽しみましょう」

 

 するとちょっと作り笑顔?みたいな感じもしたが。でも胡乃葉が笑いながらそんなことを言ってきたので――良いのだろうか?って、ほんと今までのなんだったのか……。


「なら――そこにあるストラックアウトで勝負でもするか」


 でもこの話を続けてもなので、俺はあたりを見て、ちょうど誰もいなかったストラックアウトを見つつ言った。ちなみにどこかのサークルの手作りらしい。ラップとかの芯?かな?それで作ってあって――商品とかはないらしいが。あれだ自由に遊んでくださいみたいな感じだな。


「いいですね。やりましょう。勝ったら先輩にめちゃくちゃ命令します」

「おかしい。なんかおかしい」


 あれ?まだ――やっぱりちょっとご機嫌斜め?でも――笑顔はいい笑顔になってきた――謎だ。


「さあさあ、やりますよ」

「めちゃくちゃはおかしいと思うが――」

「いいんです!」

「――やっぱり怒ってない?」


 とりあえず俺たちはそのあとストラックアウトを1回プレイした。ボールは12球、的は9枚。ちなみにボールはテニスボールだった。

 そして、先行で胡乃葉がやって――山なりのボールが――ギリギリ的に届き……。


「おぉ」

「むー、難しい」


 本人は納得していない感じだったが。結果的に6枚抜いていた。いやいやすごいのでは?そんなことを思いつつ交代。俺はいい勝負にはできるかな。などと思いつつ挑戦。そして――。


「――先輩。ドンマイです」


 ストラックアウト終了後。胡乃葉に励まされていた。


「……言い出しっぺ。下手だった」

「まあまあ1枚抜いたじゃないですか」

「――」


 俺大敗。いや、ストラックアウト。ボール投げるくらいなら、普段やらないけど何とかなるだろう――とか思ったんだがな。何とかならなかったわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る