第115話 11月5日 土曜日2

「……」

「どうした?胡乃葉」


 大学に到着してからずっとお友達に突っつかれまくていた胡乃葉が今は俺の横に移動してきた。いや、正確には――違うな。なんか――たくさん俺の周りに来たぞ。


「楠先輩。胡乃葉ちゃんが話してくれないのでいろいろ教えてください」

「今日の胡乃葉ちゃんかわいい」

「先輩が居るから?」

「ねえねえ」

「……」

「胡乃葉?これなんだ?」

「し、知りません」

「……なるほど」


 ちょっと頬を赤くした胡乃葉は俺を盾にするかのように――って、東山さんたちも俺の近くまで来たため、なんかこれ周りから見ると、後輩数人連れている状態で――これハーレムとかになるのか?だったが。断言しておこう。ハーレムではない。今は――普通に話しているとでも言っておこうか。


「先輩先輩」

「むー、先輩に軽々しく話しかけない」

「おお、胡乃葉ちゃんが怒った」

「これは――楠先輩突っつけば胡乃葉ちゃんがポロリする」

「じゃ、先輩、私たちと回りましょう」

「だからー」

「でも胡乃葉ちゃん先輩とは何もない言ってたじゃん。だからいいんでしょ?」

「むー」

「――何してるのこれって――あの、大学祭来たんだよね?」

「そ、そうだよ。大学祭来たんだから大学祭楽しまないと――って、先輩は何も知らないから教えないとだから――この話終わり!」


 胡乃葉が俺と東山さんたち後輩女性陣の間に入りそんなことを宣言したのだが――胡乃葉よ。余計なこと行ったぞ。


「あれ?楠先輩大学祭――初ですか?」

「先輩去年行かなかったんですか?」

 

 ほら、東山さんはじめみんなあ食いついたよ。


「あっ。私余計なこと言った!?」


 です。って、今の状況胡乃葉が蚊帳の外――というか俺の前には東山さんが寄ってきていたので、俺はとりあえず返事をした。


「初、全く何があるとか知らないからな。俺に聞かれてもお手上げだ」

「あっ、ならなら私たち調べてきたから先輩に教えてあげればいいんだよ」


 すると、胡乃葉たちと一緒に居た1人の後輩――名前なんだったかな……ごめん。マジでちょっとそのとき混乱。パニックで聞き逃したってか忘れた。


「あれ?ってか――そういえば、高田君や筒井君とかどこかに居るんじゃ――」

「まあまあいいじゃん。今は胡乃葉と、いた方が面白いことありそうだし」

「あっ。下田君もそういえば――どこに居るんだろう?でも――いいか」


 すると俺の周りに近寄って来た東山さんはじめ女性陣が何やらぶつぶつと――って、なんか聞いたことある名前もあったが――って、皆さんそれぞれ何か約束あったの?ってか、集まる約束してるんじゃないの?俺に関わらなくてもいいんだけど――と、この時思ったのだが。


「「「今日は楠先輩(先輩×2)と話そう!」」」


 なんか勝手に話がまとまっていたのだった。いやいや約束あったならそっち行った方が――って、あれ?胡乃葉は?


 ふと俺が足を止め後ろを見ると――拗ねてた。

 いや、一応胡乃葉付いてきていたんだがな。なんか――口を尖がらせて――拗ねた?顔をしながら付いてきていた。

 すると、俺が足を止めたからだろう。みんなも足を止めて――。


「あっ。胡乃葉が泣いた」

「泣いてないし!」


 ちなみに胡乃葉単に顔が赤いだけだ。


「胡乃葉ちゃん先輩とられたと思って拗ねたんだね。かわいいかわいい」

「ち、違うから!」


 1人が胡乃葉のところに駆け寄って――頭をなでる。そしてそれを払いのける胡乃葉。


「楠先輩。胡乃葉ちゃんこんな子ですけど。よろしくお願いします」

「えっ。あー、うん?」


 って、俺の横では東山さんが突然そんなことを言ってきた。


「姫子ちゃんは何先輩に言ってるの!」

「今日めっちゃ楽しいね」

「うん。胡乃葉ちゃんハイテンション」

「そこ2人も黙る!」

「「「楠先輩(先輩×2)後で慰めてあげて、もう少しいじめるから」


 いやいや、これ何?って、大学祭――いいの?っか――この東山さんグループ?言うのか。とりあえず胡乃葉以外話合わせてきたというか。いろいろ練ってきただろ。行きピッタリすぎるわ。って――これ普通なの?もう俺は――わからん。


「もう!だから大学祭来たんでしょうが!」


 俺がいろいろ考えていると――今度は胡乃葉がキレた?のだった。ちなみに胡乃葉を見る女性陣全員大笑いというね。そりゃ楽しいのは――良いことだと思うが――この後俺大丈夫かね?

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