第97話 10月30日 夜 日曜日18

 勝手に語りだす後輩。ということにしておこうか。

 後日東山さんに会って、もしこの話を俺が知っている――となっても胡乃葉が勝手に話したということにしておこう。と、思いつつ胡乃葉の話を聞きながら。胡乃葉の家へと向かっている俺達である。


「とにかく。しばらく経ってから。あれ?そんなに経ってなかったかな?とりあえず、ある朝、私と会うまで姫子ちゃん本当に気が付かなかったみたいで――私がしばらく凝視していたら、気が付いたみたいで白状させました。ちょっと気のせいとかはじめは言ったんですけどね。明らかおかしいので、取り調べですよ」

「——胡乃葉が怖い」


 絶賛俺の隣を歩きながら胡乃葉は語っている。


「だって――本当にちょっとだけ。姫子ちゃんに会ってからその時までは、姫子ちゃんの方がちょっとだけ。ホントちょっと。微々たる差で大きいと思っていたら――突然の爆弾じゃないですか!隠していたとか!同盟まで結んだのに!ですよ」

「胡乃葉。夜夜」

「あっ、すみません」


 どんどん声のボリュームが上がる胡乃葉をなだめる。って、東山さんは東山さんでなんで隠していた?もあるのだが。俺が口を挟めるのは数秒だった。すぐに胡乃葉はまた話し出しており。


「でもでも――それまでは一緒に、そういうことも話していたのに――裏切られたんです。姫子ちゃんのあれは――あれで需要あります」

「需要って」


 いや、まああの感じはなかなかないというか。胡乃葉の言う通り――需要あるのかな?俺にはわからんが。あっ。旺駆里が騒ぎそう――騒いでいた?から需要ありか。って。旺駆里だと誰でもOKな気がするが……。


「あるんです。姫子ちゃんが言ってましたもん。高校の時いろいろ見られて大変で――だから。はじめのころは――ってあとから聞きましたもん」

「——なるほど」


 デカくて視線を集めた?ということでいいのだろうか?って、俺がこれ以上聞いてもわからないデカいというか。そもそもこの話俺はわからない世界なので、無駄なことは答えない方がいい気がしてきた。今胡乃葉が荒れたら――財布の中身無くなりそうだし。


「ちなみにその時は裏切っていたとして、ケーキバイキングを奢ってもらいました」


 犠牲者というか。ほら、やっぱり。


「——って、いろいろ言っているが。もうすでに解決済みだよね?」

「まあ、って、でも、あんなに大きいとか――って、先輩。想像禁止ですから。姫子ちゃん想像禁止」


 思い出すことすら禁止された。って、まあずっと思い出していたというか。この話をしていたので、思い出していたのだが――もちろんそれには触れない。


「はいはい。何も思ってませんから」

「むー」

「睨まない。ってか。前見て歩け前見て」

「——見てます」

「ってか、この話駅出てから――って、電車の中からか。主に胡乃葉が勝手に話しているがな」

「いや――だってあれは勝てないので、頑張っても。無理――うん」

「うん?」


 すると胡乃葉の声が小さくなっていったので俺が隣を見ると。視線がふと合った。


「——なっ、なんでもないです。ま、まあそんなことがあって――私は姫子ちゃんに隠すの禁止としました。大きいなら見せびらかせです。視線集めておけです」

「なんというか。まあ俺は何にも言わない」

「ってか、そしたらですよ!」

「だから夜夜」


 終わったと思ったらまだ何かあるらしい。この話いつまで続くのか。ってか、そこそこ俺達、駅から歩いている気がするが――。

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