第81話 10月30日 夜 日曜日2

 胡乃葉が友達へと連絡中。俺は待機ということで、近くを見つつ過ごそうとしたら、いきなり知っている奴の声がしたため。さっと、胡乃葉の横に並んだ俺だった。

 

 いや、あの声は、間違いなく旺駆里だからな。そうだよ、あいつだよ、あいつが昨日言ってたんだよ。ハロウィンって。そりゃ来るわな。旺駆里だもん。祭り好きだもんな。来ないわけないよな。なんなら講義休んで行くレベルだよな。って、こんなところ見られたらそれはそれで面倒だ。胡乃葉にも迷惑が掛かる。あんな奴に胡乃葉の事知られると――だからな。とりあえず、さりげなく胡乃葉の隣に並んでいる男――友人みたいな感じで明後日の方向を向くことにした。距離は離れているし大丈夫だろう。


「——先輩?どうしました?」

「あー、気にしないでくれ」

「えっ?」


 スマホを持ちつつ戸惑う胡乃葉。あっ。悪い、距離が近いか。俺は少し離れて――。


「会うと面倒な奴。うるさい奴がいてな。巻き込まれるとだから。空気になろうかと」

「空気って――見えてますよ?」


 ちょっと呆れつつ?といった感じで胡乃葉が俺を見てくる。


「ここなら男女が並んでいても大丈夫だろ?カップルとかも来ているみたいだし。違和感なく。って、胡乃葉を勝手に使って悪い」

「——あっ、いや――カップル――だ、大丈夫です」

 すると、ちょっと胡乃葉があたふた。って、ミスった。何を適当なことを俺は言っているのか。


「あっ。悪い。そうだよな。そう見られたら見られたでダメか。ってことで俺はJRの方歩いて行くわ」

「あっ。先輩。友達――建物の中に居るって」


 俺が旺駆里から逃走のため歩き出そうとすると。慌てて胡乃葉がそんなことを言ってきた。どうやら友達から返事が来たらしい。


「——大学の中ってことか?」

「です」

「——じゃ――あいつは今出てきたから。中ならよし」


 旺駆里の姿はもうない。どこかへと行ったのだろう。


「先輩、ガチで逃げてます?」

「逃げてます。巻き込まれると面倒しかないからな」

「——大変ですね」

「大変なんだよ」


 それから俺は周りを警戒しつつ。胡乃葉についていった。そして日曜日だが大学内入場である。初めての事か?初めてかもしれないな。そりゃ近くに来ることはあるが――基本入らないからな。

 そんなこんなで、大学内に入ると、室内でも少し何かしている。って。オバケ率高いな。


「仮装ってより――お化け屋敷見たいです」


 隣で胡乃葉がそんなことをつぶやいていた。

 どうやら、各サークル?でも参加しているらしく。一部部屋がそのサークルの荷物置きというか。着替え?の場になっているらしい。部屋は鍵閉めれるからな。今日は日曜だし。そのような使い方は可能だわな。

 って、みんな着替えて。大学の前というよりは。町の方の公園でしているハロウィンパーティではないと思うが。イベントに参加。という感じらしい。

 ダンスとかなんかステージがあるとか。ちなみに胡乃葉の友人は、サークルとかで参加ではなく。先ほども言ったように先輩に見に来れば?的なことを誘われて、ちょっと見に来ているだけなので、今は別行動らしく。こちらの到着を待ってくれているらしい。

 ちなみに胡乃葉曰く。『そういう仮装とかするタイプではない』とのこと。だから、1人で暇しているのでは?でもちょっとイベントは見たいから――で、自分が誘われた。という感じで言っていた。


「えっと――自販機のところ――って、あの先輩」

「うん?」

「お手洗い――行ってきていいですか?」


 スマホを見つつ歩いていた胡乃葉がそんなことを言ってきたので、俺はその場で立ち止まった。


「ああ、わかった。じゃあここで待ってる」

「すみません」


 すると、胡乃葉は小走りで、トイレの看板の方へと向かって行った。


 そして、周りはちらほらと同じ学生が通過していく。仮装している人。普通の人バラバラといった感じだな。そして戻ってくっる人は手に食べ物を持ったりしているので、屋台とかもあるのかもしれない。ちょっとした祭りだな。ハロウィンって――何する日だっけ?まあいいか。


 とりあえず通路の隅っこで俺が待機をしていると――。


「——葉。来ないな」


 ふと、奥の方から、聞いたことある声が聞こえた気がした。俺はチラッと声の方をなんとなしに見ると――スマホを見つつ歩いてきていた相手もたまたま顔をあげたので――目が合った。


「あれ?東山さん?」

「——あっ。楠先輩」

 

 奥から歩いてきたのは、昨日も会ったお方。1年生の東山さんだった。

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