第82話 10月30日 夜 日曜日3

「楠先輩もハロウィン来たんですね」


 奥から現れた東山さんは。俺に気が付くと、少し小走りで俺の横までやって来た。東山さんは仮装はしておらず。私服。落ち着いた感じの服装だった。


「まあ――ちょっと誘われて急遽」

「急遽?そういえば――楠先輩。昨日も同じような事――言ってました?」

「あー、そういえば。昨日は旺駆里に緊急召喚か」


 そう言われると、俺の周りは急に物事を言ってくる奴が多いのかもしれない。


「——あっ。そうそう、小倉先輩居ますよ?もしかすると、もうステージの方行ったかもしれませんが」

「会いたくはないな、って、出て行くところ見たから知ってる」

「そうだったんですか。ってことは、小倉先輩の誘いではないと――?」

「だな。ちなみに東山さんは?」

「一応小倉先輩が面白いから――で、誘ってくれて、下田君も来るから――というのと。他の子もだったので、様子だけチラッと見に」

「そうだったか。って――旺駆里は何をしているのか」

「ステージで歌うとか言ってました」

「——あー。気にしないでおくか。って、東山さん今は何して?」

「あっ、その――私仮装とかは――でして。そのいろいろあって」


 何か言いにくそうな東山さん。あれか。嫌なんだろうな。ということで。


「まあ人それぞれ好きな人も居れば嫌いな人もいるからな」

「そ。そんな感じです。で、今は友達を待ってまして」

「なるほど、そういう事か」

「そしたら楠先輩が居て。ちなみに楠先輩も――急に誘われたってことは仮装――」

「の予定なんてあったらびっくりだわ」

「ですね。って――楠先輩1人?」


 すると東山さんはあたりをキョロキョロと。今の状況からすると、本当に誰かに誘われたのか?だわな。って、そうだ、ちょうどいいじゃん、胡乃葉帰ってこないかな。この2人。絶対話会うと思うんだよな。声に出すと怒られそうだが。似ている――いや、チビとか言っているわけではないが。いろいろ雰囲気というか、なんか似ているからな。大人しい感じとか。あれ?胡乃葉って――大人しい?グイグイしている感じないか?今日も俺のところ乗り込んできてたし。そうみると、東山さんの方が落ち着いている?そりゃ昨日よりかは慣れたのか。話しやすそうにしている感じはあるが――もしかして似てないか?


「えっと――ちょっと今いないだけだ」


 とりあえず俺はトイレの方を見つつつぶやくが――まだ胡乃葉の姿はない。


「そうなんですか。あっ、えっと――楠先輩」

「うん?」

「少しだけ時間いいですか?」

「なに?大丈夫だけど」

「いや、実は今私が待っている子にも、先輩を紹介したいなー。って、ふと思って――ご迷惑でしょうか?」


 まさかの胡乃葉と同じようなことを言ってくる東山さんだった。やっぱりこの2人仲良くなれそう。紹介しよう。


「——なんか似たようなことを」

「えっ?」

「いやいや、何でもないって、俺なんかを?」

「なんかって、楠先輩話しやすくて――九条さんも楠先輩なら。大丈夫だって」

「昨日ちょっとちゃんと話しただけでそこまで信頼を得るのか。九条さんもほぼ初だったんだが――」

「でも実際。楠先輩――やっぱり話しやすいと言いますか――」

「それは嬉しい事――ってか。なら、東山さん」

「はい?」

「実は俺もちょっと東山さんと話が合いそうな奴と居るから――どう?会ってみない?」

「私と――?」

「ああ、あっ。女子だから」

「えっ――楠先輩。女の子に誘われて――でした?それ、私お邪魔では――?」


 ちょっと慌てた様子の東山さん。って、勘違いされてもなので、こういう時は落ち着いて。


「いやいや、ホント友達ってか、ちょっとそこそこの知り合いってか――」

「そ、そうなんですか?」

「ああ、それに東山さんと同級生だから」

「同級生?」


 俺と東山さんが話していると――ちょうどその時だった。


「あっ、先輩。お待たせしました」


 トイレの方から胡乃葉が戻って来て――と、思ったら何故か胡乃葉はその場で固まった。それと同時に俺は――。


「どうした?胡乃葉?(胡乃葉ちゃん?)」


 声をかけたのだが――それと同時に俺の隣からも胡乃葉に話しかける声があったのだった――って、東山さん?えっ?胡乃葉?俺が気が付くと、2人が顔を見合わせて――さらに俺の方を見て来て――。


「「えっ!?」」


 驚いていたのだった。何が起こったのかな?

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